花と鳥を主題とする中国,日本の絵画で,草木や虫・獣を含む。中国では六朝時代にすでに蟬雀(せんじやく)図などがかかれ,唐代には薛稷(せつしよく)や辺鸞(へんらん)が鶴,折枝花をかき有名であった。しかし独立の部門として本格的に成立したのは五代からで,蜀に黄筌(こうせん),南唐に徐熙(じよき)が出,花鳥画の二大源流をなした。黄筌と子の黄居寀(こうきよさい)らの黄氏体は,鉤勒塡彩(こうろくてんさい)法を用いて華麗な富貴さに特色があり,徐熙と孫の徐崇嗣らの徐氏体は,水墨と没骨(もつこつ)画法を取り入れて瀟洒な野逸さに特色があった。
花鳥画