三味線の祖型は、中国の三弦で、16世紀後半に沖縄から本土にもたらされたと考えられている。当初は盲人が扱う楽器であったが、民間にも普及し、江戸時代以降、芸術音楽、民俗音楽を問わず、日本音楽の代表的な楽器として親しまれてきた。木製の四角い枠の両面に、猫か犬の皮膜を張った胴に長い棹が貫通させてある。一般的には、正座した右ひざの上に胴を置き、右腕で胴当を押さえ、楽器を安定させて構える。左手指で、弦の途中を必要に応じて棹に押さえつけ(押える所を勘所またはつぼという)、右腕を胴当の上に置いたまま、バチを回転させて打ち下ろし、棹に張られた3本の弦を撥奏するのが基本的な弾き方である。三味線の調弦法を“調子”というが、基本的な本調子、二上りや三下りのほかに、様々な派生的・変則的な調弦法がある。
三味線