一番分かりやすい例が、スポーツ選手やミュージカルではないだろうか。この分野では生まれつきの才能がなければ、決して一流にはなれないからである。
私自身、小学校5年の頃からプロ野球の選手に憧れて、毎日必死で練習した。しかし、どんなに頑張っても試合には出られなかった。私に才能がなかった。また、高校時代はミュージシャンを目指して、作詞作曲を始めた。3年間で100曲以上も作ったが、結局どれも人に聴かせるほどの作品ではなく、趣味の域を少しも出なかった。このような体験から言えることは、人は努力によってある程度の水準には達するが、努力だけでは越えられない限界があるということである。
(B)昔から「玉も磨かなければ光らない」と言います。いくら才能に恵まれていても、努力してそれを磨かなければ、ただの石に終わってしまいます。
私は以前、ある有名な劇作家が、「僕はいつもポケットにメモ帳を用意して、人々の会話に耳を傾け、面白いと思った言葉は必ずメモしている」とテレビで言うのを聞いて、さすがだなと思ったことがあります。成功する人というのは、他人の目には分からないような努力を日々重ねているものなのです。もちろん、大成するには才能も必要でしょうが、その才能を開花させるものこそが努力だと思うのです。よく言われるように、「天才とは努力し続ける力」のことだと思います。ですから、最初から才能や運を期待しているようでは、成功などできるわけがありません。
1、AとBは、何について述べているのか。
①成功の秘訣
②成功の条件
③成功の原因
④成功の可能性
2、Aの意見について、正しく述べているのはどれか。
①才能があるかどうかは、実際やってみなければわからない。
②努力する者は、いつか必ずその努力が報われる日が来る。
③努力したからといって、人は成功できるとは限らない。
④才能がある人が努力したからこそ、成功したのである。
3、Bが一番言いたいことは何か。
①才能あっての努力である。
②天才とは努力し続ける力のことである。
③努力は天才に勝る。
④努力してこそ才能も育つ。