《一公升的眼泪》第一集 27

亜也(あや)のクラス

亜也(あや)：あの･ ･ ･ あの合唱(がっしょう)コンクールの曲(きょく)のことなんですけど。

まり：何(なん)か候補(こうほ)あるの？

あや じかんめ じしゅう

亜也： 、あっ そういうんじゃなくって えっとあの。 、1時間目自習ってことだからみんなで曲(きょく)について話(はな)し合(あ)うのもいいかなって。あのみんなで加参(さんか)するコンクールなんだし、何(なん)ていうか、えっと、みんなで協力(きょうりょく)して･ ･ ･

水野(みずの)の診察室(しんさつしつ)

水野(みずの)：ご主人(しゅじん)は？潮香(しおか)：わたし一人(ひとり)で来(き)ました。丈夫大(だいじょうぶ)です わたし、 これでも保健(ほけんし)師ですし、以前(いぜん)は看護(かんごし)師をやってましたから。何(なに)より母親(ははおや)ですから。

亜也(あや)のクラス

亜也(あや)：みんなで好(す)きな曲(きょく)いろいろ出(だ)し合(あ)って･ ･ ･圭子(けいこ)： 、もう うざっ。

美(み)歩(ほ)：わたし熱(あつ)いの苦手(にがて)。

生徒(せいと)：だいたい無(む)駄(だ)なんだよな、合唱(がっしょう)コンクールなんて。

生徒(せいと)：力実(じつりょく)テストまで時間(じかん)もないから習自(じしゅう)したいんだけど。

亜也(あや)：時間(じかん)はいくらでもあるじゃないですか。

水野(みずの)の診察室(しんさつしつ)

水野(みずの)：お嬢(じょう)さんの気病(びょうき)は性症髄 脳変脊 小(せきずいしょうのうへんせいしょう)だと思(おも)われます。

しおか せきずいしょうのうへんせいしょう潮香：脊 小髄 脳変性症？

水野(みずの)：もう一度詳(いちどくわ)しい査検(けんさ)をしてみますが違間(まちが)いないでしょう。

亜也(あや)のクラス

亜也(あや)：わたしの父(ちち)はお屋豆腐(とうふや)さんです。父(ちち)はお祖(じ)父(い)ちゃんがやっていたお屋豆腐(とうふや)さんを継(つ)ぐのが嫌(いや)で、違(ちが)う仕事(しごと)に就(つ)いたんです。最初(さいしょ)は市役所(しやくしょ)に勤(つと)めてたんですけど、でもデスクワークが向(む)いてなかったみたいで。それで市役所(しやくしょ)を辞(や)めてそれからいろんな仕事(しごと)に就(つ)いたそうです。飽(あ)きっぽいのか、何(なに)をやっても長続(ながつづ)きしなくって。

(瑞生(みずお)：あああっ すいませんすいませんすいません、 。)

亜也(あや)：でも父(ちち)は手作(てづく)りで腕時計(うでどけい)を作(つく)ってくれたり ちょっと、 ダサいけどブラウス縫(ぬ)ってくれたり。それに結構料理(けっこうりょうり)も上手(じょうず)だし･ ･ ･

耕平(こうへい)：何(なん)の話(はなし)だよ？

慶太(けいた)： 、あの 訳分(わけわ)かんないんですけど。

亜也(あや)：えっと･ ･ ･ わたしが言(い)いたいのは父(ちち)はそうやって遠回(とおまわ)りをしたけど、

でも何一(なにひと)つ無(む)駄(だ)なことなんてなくって。遠回(とおまわ)りをしたからこそ

屋豆腐(とうふや)さんを継(つ)ごうって思(おも)ったんです。だから寄(よ)り道(みち)をしたり遠回(とおまわ)りしたっていいんじゃないかなって。