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第1章 闇の帝王動く The Dark Lord Ascending(2)

时间: 2023-07-26    进入日语论坛
核心提示:「ヤックスリー、スネイプ」テーブルのいちばん奥から、甲高かんだかい、はっきりした声が言った。「遅い。遅刻ちこくすれすれだ
(单词翻译:双击或拖选)

「ヤックスリー、スネイプ」

テーブルのいちばん奥から、甲高かんだかい、はっきりした声が言った。

「遅い。遅刻ちこくすれすれだ」

声の主ぬしは暖炉を背にして座っていた。そのため、いま到着したばかりの二人には、はじめその黒い輪郭りんかくしか見えなかった。しかし、影に近づくにつれて、薄明うすあかりの中にその顔が浮かび上がってきた。髪かみはなく、蛇へびのような顔に鼻孔びこうが切り込まれ、赤い両眼りょうがんの瞳ひとみは、細い縦線たてせんのようだ。蝋ろうのような顔は、青白い光を発しているように見える。

「セブルス、ここへ」ヴォルデモートが自分の右手の席を示した。「ヤックスリー、ドロホフの隣となりへ」

二人は示された席に着いた。ほとんどの目がスネイプを追い、ヴォルデモートが最初に声をかけたのもスネイプだった。

「それで」

「わが君きみ、不ふ死し鳥ちょうの騎き士し団だんは、ハリー・ポッターを現在の安全な居所から、来きたる土曜日の日暮れに移動させるつもりです」

テーブルの周辺がにわかに色めき立った。緊張きんちょうする者、そわそわする者、全員がスネイプとヴォルデモートを見つめていた。

「土曜日……日暮れ」

ヴォルデモートが繰くり返した。赤い眼めがスネイプの暗い目を見み据すえた。その視線のあまりの烈はげしさに、傍はたで見ていた何人かが目を背けた。凶暴きょうぼうな視線が、自分の目を焼き尽つくすのを恐れているかのようだった。しかしスネイプは、静かにヴォルデモートの顔を見つめ返した。ややあって、ヴォルデモートの唇くちびるのない口が動き、笑うような形になった。

「そうか。よかろう。情じょう報ほう源げんは――」

「打ち合わせどおりの出所から」スネイプが答えた。

「わが君」

ヤックスリーが長いテーブルの向こうから身を乗り出して、ヴォルデモートとスネイプを見た。全員の顔がヤックスリーに向いた。

「わが君、わたしの得た情報は違っております」

ヤックスリーは反応を待ったが、ヴォルデモートが黙だまったままなので、言葉を続けた。

「闇やみ祓ばらいのドーリッシュが漏もらしたところでは、ポッターは十七歳になる前の晩、すなわち三十日の夜中までは動かないとのことです」

スネイプがにやりと笑った。

「我輩わがはいの情じょう報ほう源げんによれば、偽にせの手掛かりを残す計画があるとのことだ。きっとそれだろう。ドーリッシュは『錯乱さくらんの呪文じゅもん』をかけられたに違いない。これが初めてのことではない。あやつは、かかりやすいことがわかっている」

「畏おそれながら、わが君きみ、わたしが請うけ合います。ドーリッシュは確信があるようでした」

ヤックスリーが言った。

「『錯乱の呪文』にかかっていれば、確信があるのは当然だ」スネイプが言った。「ヤックスリー、我輩が君に請け合おう。闇祓やみばらい局きょくは、もはやハリー・ポッターの保護には何の役割も果たしておらん。騎き士し団だんは、我々が魔ま法ほう省しょうに潜入せんにゅうしていると考えている」

「騎士団も、一つぐらいは当たっているじゃないか、え」

ヤックスリーの近くに座っているずんぐりした男が、せせら笑った。引きつったようなその笑い声を受けて、テーブルのあちこちに笑いが起こった。

ヴォルデモートは笑わなかった。上でゆっくりと回転している宙吊ちゅうづりの姿に視線を漂わせたまま、考え込んでいるようだった。


    “亚克斯利,斯内普,”桌首响起一个高亢、清晰的声音,“你们差点就迟到了。”
    说话的人坐在壁炉正前方,亚克斯利和斯内普一开始只能隐约分辨出他的轮廓。等他们走近了,那人的脸才从阴影里闪现出来:没有头发,像蛇一样,两道细长的鼻孔,一双闪闪发亮的红眼睛,瞳孔是垂直的。他的肤色十分苍白,似乎发出一种珍珠般的光。
    “西弗勒斯,坐在这里吧,”伏地魔指了指紧挨他右边的那个座位,“亚克斯利——坐在多洛霍夫旁边。”
    两人在指定的位置上坐了下来。桌旁大多数人的目光都跟着斯内普,伏地魔也首先对他说话:
    “怎么样?”
    “主人,凤凰社打算下个星期六傍晚把哈利·波特从现在的安全住所转移出去。”
    桌旁的人明显地来了兴趣:有的挺直了身子,有的好像坐不住了,都用眼睛盯着斯内普和伏地魔。
    “星期六……傍晚。”伏地魔重复了一句。他的红眼睛死死盯着斯内普的黑眼睛,目光如此锐利,旁边的几个人赶紧望向别处,似乎担心那凶残的目光会灼伤自己。斯内普却不动声色地望着伏地魔的脸,片刻之后,伏地魔那没有唇的嘴扭曲成一个古怪的笑容。
    “好,很好。这个情报来自——”
    “来自我们谈论过的那个出处。”斯内普。
    “主人。”
    亚克斯利探身望着长桌那头的伏地魔和斯内普。大家都把脸转向了他。
    “主人,我听到不同的情报。”
    亚克斯利等了等,但伏地魔没有说话,他就继续往下说道:“德力士,就是那个傲罗,据他透露,波特要到30号,也就是他满17岁前的那个晚上才转移呢。”
    斯内普微微一笑。
    “向我提供消息的人告诉我,他们计划散布一些虚假情报,这肯定就是了。毫无疑问,德力士中了混淆咒。这不是第一次了,他立场不稳是出了名的。”
    “我向您保证,主人,德力士看上去很有把握。”亚克斯利说。
    “如果中了混淆咒,他自然很有把握,”斯内普说,“我向你保证,亚克斯利,傲罗办公室在掩护哈利·波特的行动中将不再起任何作用。凤凰社相信我们的人已经打入魔法部。”
    “如此看来,凤凰社总算弄对了一件事,嗯?”坐在离亚克斯利不远处的一个矮胖的男人说。他呼哧带喘地笑了几声,长桌旁的几个人也跟着笑了起来。
    伏地魔没有笑。他将目光转向头顶上那具慢慢旋转的人体,似乎陷入了沉思。
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