[書き下し文]子曰く、二三子(にさんし)、我を以て隠せりと為すか。吾は爾(なんじ)に隠すことなきのみ。吾は行うところとして二三子と与(とも)にせざることなし、これ丘(きゅう)なり。
[口語訳]先生がいわれた。『お前達は、私が何か隠し事をしていると思っているのか?私はお前に隠さねばならぬことなどない。私は実際に行動することで、お前達と一緒にしないことなどはない。これが、私(丘)の生き方である。』
[解説]各種の礼や知識について精通している博識無限の孔子に対して、弟子たちは『まだ何か隠している特別の奥義があるのではないか?』と疑っていたが、孔子はその疑念を真っ向から否定して、自分は絶えず弟子に全てを教え彼らと共に歩んでいくと宣言したのである。