[書き下し文]子曰く、文は吾猶(なお)人のごとくなること莫からんや(なからんや)。躬(み)をもって君子を行わば、則ち吾未だこれを得るあらざるなり。
[口語訳]先生が言われた。『机上の学問であれば、私は人並みに出来ないということはないだろう。しかし、実際に自分の身体を使って君子のような行動をしようとすれば、私はまだまだ君子の道を修得できていない。』
[解説]孔子は、『書籍を通した学問』と『実生活の中での徳行』のどちらも重視したが、やはり文字を読んで理解する学問を、実際の生活や政治に活かすことはとても難しいと感じていたのである。