去年の日本人の平均寿命は、女性が86.44歳、男性が79.59歳で、男女とも4年連続で過去最長を更新していることが厚生労働省のまとめでわかりました。女性は25年連続で世界一、男性は5位となっています。
厚生労働省によりますと、去年の日本人の平均寿命は女性が86.44歳、男性が79.59歳で、前の年に比べて女性は0.39歳、男性は0.3歳伸び、いずれもこれまでで最も長くなりました。日本人の平均寿命は平成12年以降、季節性のインフルエンザが流行した平成17年を除いて、男女とも4年連続で過去最長を更新しています。これについて厚生労働省は、医療技術の進歩などで3大死因とされる「がん」、「心臓病」、「脳卒中」のほか、肺炎など病気の治療成績が年々上がっていることが要因の一つと分析しています。平均寿命が公表されている主な国や地域と比べると、女性は、2位の香港を0.34歳上回り25年連続で世界一、男性は、カタールや香港、アイスランド、スイスに次いで世界5位となっています。また、3大死因をあわせた割合は男女とも50%を超えていますが、仮にこれらの病気が克服されたとした場合、平均寿命は、女性が6.99歳伸びて93.43歳、男性が8.04歳伸びて87.63歳になるということです。人口問題や高齢化などに詳しい日本大学人口研究所の小川直宏所長は、「日本の平均寿命は、今後も右肩上がりで直線的に伸びていくのに、仕事の定年はほとんど延長されない状況で、これからは年をとっても働ける制度を作っていく必要がある。さらに裕福な人と、そうでない人の生活レベルは、より格差が広がっており、世界でも例がない高齢化のスピードにセーフティーネットなどの整備が追いついていない。今後は、誰もが長寿を喜べるような社会保障のシステムを整備していく必要がある」と話しています。