水資源が乏しい中東のオマーンで、石油を採掘するときにいっしょにくみ上げられる大量の汚水を浄化し、工業用水などとして活用するための実験施設が、日本の支援で完成しました。
この実験施設は、日本が石油の安定供給を得るための産油国との関係強化策として、オマーンの首都、マスカットにある石油貯蔵施設に完成させたものです。10日、関係者が出席して記念セレモニーが開かれ、オマーンのルムヒ石油ガス相は「オマーンにとって、油田から出る大量の汚水は深刻な問題であり、日本の実験が成功することを大いに期待している」と述べ、支援に感謝の意を示しました。石油の採掘現場では、石油に混じって大量の汚水がくみ上げられますが、ほとんどがそのまま捨てられ、オマーンの場合、1日に捨てられる汚水の量は、国内で1日に消費される生活用水の総量に匹敵します。実験施設は、日本の石油関連企業でつくる「国際石油交流センター」が開発した最新型の浄化装置を備え、1日当たり50キロリットルの汚水を浄化し、工業用水や農業用水として活用できるということです。中東の産油国では経済発展から水の需要が急増しており、国際石油交流センターでは、ほかの産油国にも日本の技術力を生かした支援を行い、関係強化を図っていく考えです。