海外に比べて新しい薬が承認されるまでに時間がかかる「ドラッグラグ」の解消に向けて、厚生労働省の検討会は、進行性の子宮頸(けい)がんの治療薬など74の薬について、新たに製薬会社に開発を要請することを決めました。
「ドラッグラグ」は、海外で広く使われている薬でも、国内では保険適用や承認までに時間がかかり、患者が使えないという問題です。厚生労働省の検討会は、この「ドラッグラグ」を解消しようと、患者や学会などから要望があった374の薬について、具体的にどの薬の承認手続きを急ぐべきか議論を進めています。そして、10日、進行性の「子宮頸がん」の治療薬や、大腸や小腸の粘膜に炎症などを引き起こす難病のひとつ「クローン病」の治療薬など、あわせて74の薬について、新たに製薬会社に開発を要請することを決めました。これによって、製薬会社が承認の申請作業に入り、海外ではすでに一定の効果が認められている薬については、早ければ来年には使うことができるようになる見通しです。検討会は、これまでに卵巣がんや子どものリューマチの治療薬など108の薬についても、すでに製薬会社に開発要請を行っています。