APEC=アジア太平洋経済協力会議の首脳会議が開かれるのを前に、アメリカのオバマ大統領と中国の胡錦涛国家主席が、日本経団連が主催したAPECCEOサミットで相次いで講演し、アジア太平洋地域の経済の重要性を強調しました。
このうち、アメリカのオバマ大統領は「アジアの経済規模は今後5年間で、1.5倍に拡大すると予想されている。いまや日本をはじめ、アジア各国で起きていることはアメリカにも大きな影響を与える」と述べて、アメリカにとっても、高い経済成長を続けているアジア地域の重要性が増しているという認識を示したうえで、「TPP=環太平洋パートナーシップを通じて、この地域の市場開放を実現し、輸出を増やしていきたい」として、みずからが提唱している「輸出倍増計画」の実現を図るためにも、アジア太平洋での自由貿易圏をつくることを目指すTPPの合意を目指す決意を強調しました。また、中国の胡錦涛国家主席は「アジア太平洋地域の新興国は世界経済のけん引役として大きなチャンスをもたらす」と述べ、中国も含めたアジア太平洋地域の新興国が、世界経済の発展に重要な役割を果たしていくという認識を示しました。そのうえで、「中国は金融の問題やエネルギーの問題などグローバルな課題について、国際社会のメンバーとして建設的に貢献してゆく」と述べ、中国としても国際社会と協調して責任を果たしていく姿勢を強調しました。