2016年の夏のオリンピックの開催地、ブラジルのリオデジャネイロで、治安当局が麻薬密売組織の大規模な掃討作戦を行い、麻薬密売組織が潜伏して抵抗を続けていたスラム街を制圧したと発表しました。
ブラジルのリオデジャネイロでは、21日から、北部にあるスラム街を拠点とする麻薬密売組織と警察との間で衝突が激化し、麻薬密売組織のメンバーが銃を発砲したり、市街地で車やバスを放火したりして抵抗を続け、これまでに一般市民を含むおよそ40人が死亡しました。このため、治安当局は、軍の兵士800人のほか、警察官も大量に動員してスラム街を包囲し、麻薬密売組織の大規模な掃討作戦を行いました。その結果、治安当局は、28日、「スラム街を制圧し、麻薬密売組織のメンバーを拘束した」と発表しました。6年後に夏のオリンピックの開催を控えるリオデジャネイロでは、州政府や警察などが各地のスラム街に潜伏している麻薬密売組織の掃討作戦を進めています。しかし、去年10月、警察のヘリコプターが麻薬密売組織の銃撃を受けて墜落したほか、ことし8月には武装グループが高級ホテルで人質を取って立てこもるなど、治安当局との対立も激しさを増しており、依然として治安の改善が大きな課題となっています。