民主化を巡って衝突が続く中東のシリアで、政権側と反政府側とが今後について意見を交わす初めての会議が始まりましたが、主要なグループは参加せず、事態の打開に結びつくかどうかは不透明な情勢です。
この会議は、シリアのアサド大統領が先月20日、国民との対話を通じて改革を進める方針を示したことを受けて、政権側の呼びかけで開かれました。10日に首都ダマスカスに反政府側の一部のグループや活動家などおよそ200人が集まりましたが、主要なグループは参加しませんでした。会議では、シャラ副大統領が「今の状況を打開するには対話しか方法がない。より民主的な国家をつくるため、ぜひ成果を出したい」と述べて、反政府側に協力を求めました。これに対して、反政府側からは「政権側が市民への弾圧をやめないかぎり、本当の対話はできない」という意見や、「すべての反政府側の団体が参加しなければ意味がない」といった発言が相次ぎました。シリアでは、依然として軍や治安部隊による市民への弾圧が続いていて、この8日にも各地で大規模な衝突が起き、合わせて15人が死亡しています。シリアで、政権側と反政府側とが顔を合わせるこうした会議が開かれたのは初めてですが、11日までの話し合いで事態の打開に結びつくかどうかは不透明な情勢です。