アメリカのパネッタ国防長官が、就任後、初めてイラクを訪問し、全面的な撤退を予定していることし末以降もアメリカ軍が駐留を続ける場合の具体的な規模などについて、イラク側と協議を行うものとみられます。
今月1日に就任したパネッタ国防長官は、アフガニスタンに続いて、10日、イラクの首都バグダッドを訪問しました。パネッタ長官は11日、マリキ首相らと会談を行う予定で、アメリカ軍が全面的な撤退の期限であることし末以降も駐留を続ける場合、具体的にどの程度の規模が必要かや、どのような任務に当たるのかなどについて協議を行うものとみられます。アメリカ軍は、最大17万人の部隊をイラクに派遣し、去年8月に戦闘部隊が撤退したあとも治安の維持を支援する目的でおよそ4万6000人がイラクに駐留を続けています。イラク政府は、自前の軍や治安部隊を養成するためには引き続き支援が必要だとして、アメリカ軍の駐留延長を求める方針で、国内の政治勢力との間で調整を進めています。しかし、イラクの国民の間では予定どおりの撤退を求める声が多く、アメリカ軍が残ること自体が新たなテロを誘発しかねないという懸念も広がっていて、パネッタ長官とマリキ首相らとの間で慎重な検討が行われるものとみられます。