私は思った
魂はどこへ行くのだろう…と
古ぼけたがれきのような祭場から
黒い蝶のように
人々が踊り出る
厳かな踊りの輪から
ひとひら、ふたひらと踊り出る
そうして大きく息をつき
皆軽やかにざわめき合うのだ
晩秋のぴんと張りつめた空気の中を
人々のざわめきが右往左往する
そうしてその声だけが
どんどん空の高みへと昇っていく
白い煙はいつしかゆるやかな波となり
来た道を戻るのか
それとも地にこぼれて次に来る春を待つのか
何でもないことなのかもしれない
生命のくり返しとは
薄い三日月が空に残っている午後