葉桜の海を抜け
そびえる鉄塔を一目散
南風を味方に
雲を突き抜けられたら
どんなに気持ちいいだろう
横たわる地平彼方の消失点
東西南北に流れる風景が
交わるあの一点
虹の足元のように
いくら走ってもたどり着かない
あの消失点をこの手につかめたら
どんなに気持ちいいだろう
この魂は
安っぽい欲望に縛られた肉体を破り
高みへと上昇を続ける―…
その願いが叶うなら
何ひとつ確かなものはなくていい
大切なのは魂に忠実に生きること
譲れない何かを心の棚に飾ること
厚い雲を突き抜けるために
消失点をつかむために
まぶたの奥
理想のあの一瞬を
灼きつくほどに刻み
心ひとつでただ歩こう
大地とは
荒野にも楽園にも変わるもの