グローブを投げつけ
唇を震わせて
手の甲で涙を払いのけていた子が
花束を渡してくれる時
私のハンカチを取って
涙でくしゃくしゃになった顔を
拭いている
昔から泣き虫だった
負けず嫌いの泣き虫だった
その子が
晴れやかなこの歓びの席で
一番素直に泣いている
今までありがとうと泣いている
いい母親ではなかった私が
頂いてもいいのかな
どんな宝石より
その涙
一番の輝きを放ちながら
今日
私の宝物になった