「強い光を長時間当てると…
動物の眼科が専門の「アニマルアイケア・東京動物眼科醫院」の小林義崇(よしたか)院長は、「フラッシュ撮影が犬や猫に失明をひきおこすという科学的なデータは、私が知る限りではありません」と前置きした上で、「目に強い光を長時間照射すると網膜に障害が出るということは、犬を含む多くの動物で報告されています。これは猫にも同様に言えるものだと考えられます」と言います。
特に犬や猫の網膜にはタペタムという反射板があり、網膜に光がより多く到達するしくみになっており、そのため網膜障害もおこりやすい可能性があるそうです。
「一回だけのフラッシュで失明は考えにくい」
1回のフラッシュで失明してしまうのか? 小林院長の答えは「考えにくいです」。
動物病院でも病気になった犬や猫の目を検査するために、フラッシュを当てて検査をしていますが、特にトラブルにはならないそうです。
「1回のフラッシュぐらいで、目に深刻なダメージを与えることはまずないと言えるでしょう」
ただし、強い光の場合、網膜の障害のほかに、たとえば痙攣(けいれん)発作を引き起こす可能性もあります。
「完治の可能性は…
犬や猫の網膜に障害が出ると、完治できるかどうかは、障害の程度によって変わってきます。ただし、人間が日食を裸眼で見た場合などにおこる日食網膜症でも、軽度の傷害のみのこともあれば、回復が難しい状態になることもあります。
小林院長は「1回だけのフラッシュ撮影で猫や犬の目に深刻な傷害をひきおこすとは考えにくいですが、レーザーポインターやLEDなどの強い光を目に長時間照射することは避けた方がよいでしょう」と話しています。
注释:
【タペタム】明毯