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パパ産後うつ 事前の心構えを

时间: 2018-06-06    进入日语论坛
核心提示:何となくイライラしたり、訳もなく涙が出たり。「マタニティーブルー」という言葉に象徴されるように、産前産後に心身のバランス
(单词翻译:双击或拖选)
何となくイライラしたり、訳もなく涙が出たり……。「マタニティーブルー」という言葉に象徴されるように、産前産後に心身のバランスを崩すのは、実際に妊娠・出産する女性というイメージがあります。しかし、父親になる男性も、子どもが産まれたことによるプレッシャーや不安感、ストレスにさいなまれるなど精神的に追い込まれ、さまざまな症状を発症するケースがあるようです。
 
2015年に兵庫医療大学の西村明子教授らが行った調査によると、産後4カ月の807人の父親のうち、13.6%にうつ病のリスクがあることが分かりました。イクメンブームの昨今、こうした「パパの産後うつ」は増加傾向にあるといい、SNS上などでは「うちの夫これだったかも」「母親のイライラが父親に伝染するのもわかる」「ママの産後うつとどう違うの」など、さまざまな声が寄せられています。
 
父親になったばかりの男性を襲う“パパの産後うつ”とはどのようなものでしょうか。オトナンサー編集部では、医師の尾西芳子さんに聞きました。
 
父親としてのプレッシャーや環境の変化が要因
Q.男性の産後うつとはどのような症状でしょうか。
 
尾西さん「最もよく見られるのは、うまくいかないと自分を責めてしまう自責感です。産後1カ月が発症しやすい時期で、父親としてのプレッシャーや、パートナーであるママの出産という環境の変化により、我が子との離脱感や『父親としての役目を果たせていないのではないか』という気持ちにさいなまれ、子どもとのコミュニケーションが上手に取れなくなるケースがあります。また、精神的に不安定な状態になることにより、子どもをつねったり、たたいたりするなど、虐待とも取られかねない行為に及ぶ危険性も高くなります」
 
Q.男性が産後うつを引き起こす原因は何でしょうか。
 
尾西さん「パパの産後うつは、優しくてまじめないわゆる『イクメン』男性に多い傾向があります。子どもが産まれたことによる環境の変化で、心身のバランスを崩してしまうケースが多いです。主な原因は次の通りです」
 
【育児と仕事の両立に対する不安】
 ママのサポートで家事・育児の時間が増えると、睡眠時間が減少して仕事への集中力が低下します。男性の育児参加や、育児休暇の取得に理解のある社会的基盤が整っている職場はまだまだ少なく、仕事を優先せざるをえないプレッシャーを強く感じる男性も多い中、「育児と家事の両立」についてジレンマを抱えがちになり、精神的に不安定な状態に陥りやすくなるのです。また、育児による経済的な負担も大きくなり、長時間勤務に悩む男性も少なくありません。
 
【子ども中心の生活への変化】
 産後は生活のあらゆる事柄が子どもを中心に進むため、それまでの生活習慣が大きく変化するタイミングです。不慣れな家事や育児の手伝いをする必要が生じ、思い通りにいかないことも増えるでしょう。そうした状況下でストレスを抱え込んだり、パニックになってしまったりするのも産後うつの一因です。ストレスをうまく発散する時間を取ることができれば問題ありませんが、夫婦ともにそうした余裕も少ない産後は、特に注意すべき時期と言えます。
 
【夫婦二人で過ごす時間が減る】
 子ども中心の生活になると、夫婦二人きりで過ごす時間はどうしても減ってしまうものです。夫婦間のコミュニケーションが減少し、仕事によるプレッシャーやストレスを家庭内でうまく解消できなくなると、うつを引き起こしやすいと考えられます。
 
産後うつになりやすい男性の特徴や予防策は?
Q.産後うつに陥りやすい男性の特徴はありますか。
 
尾西さん「基本的には誰にでも起きる可能性がありますが、特に症状を発症しやすい人は、『真面目で責任感が強い』『完璧主義』『優しい』といった傾向が見られることが多いようです。こうした性格的要素だけでなく、妊娠中~産後のパートナーとの関係が良好でない場合や、出産前後の転職・昇進といった環境の変化、人間関係の悩みやトラブルも発症リスクを高める要因となるため、自身を取り巻く環境にも注意が必要です。また、パートナーであるママが産後うつに悩まされている場合は、パパにも伝染しやすいようです」
 
Q.産後うつの治療はどのようなものでしょうか。
 
尾西さん「症状が重い場合や、なかなか改善されない場合は、まずかかりつけの医師に相談することをお勧めします。カウンセリングなどで改善することもありますし、必要であれば薬による治療を行われます」
 
Q.男性の産後うつを予防する方法はありますか。
 
尾西さん「子どもの世話は大切ですが、自分自身の管理とケアも必要不可欠です。特に、適度な運動と健康的な食事は基本です。例えば子ども連れで散歩に行くと、適度に体を動かすことでストレス解消にもつながる上、パートナーであるママにも休息を取ってもらえます。幼少期から触れ合いを持つことで、子どもとの関係を築くことができ、心のバランスも維持しやすくなるでしょう。
 
また、女性は妊娠中から少しずつママとしての自覚を養っていく一方、男性はそうした機会を持つことが難しいものです。男性は産前から、『子どもがいる生活』のイメージを持ち、パパになる心構えを意識することが精神的に良い影響をもたらします。病院での妊婦健診に一緒に行って超音波でおなかの赤ちゃんを見たり、自治体で行われている『パパママ学級』に参加して、少しずつパパになる自覚を養ったりするのもお勧めです。
 
夫婦の良好な関係を維持することも重要です。産後は育児に対する考え方や意見の違いが生じ、夫婦が対立してしまう場面も少なからずあると思います。子育てにおける精神的負担はパパもママも大きいもの。子どもが産まれ、生活が変わるタイミングだからこそ、お互いの不満や不安を打ち明けられる環境作りを意識し、夫婦でサポートし合うことを心掛けましょう。自分自身のケアによって心のバランスを保つことができれば、子どもとの絆(きずな)が深まり、次第にパパであることを楽しめるようになっていくはずです」
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