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眼鏡(5)

时间: 2022-08-08    进入日语论坛
核心提示:三青木あおきは、小西こにしが、あやまりにきてくれなかったので、わった眼鏡めがねの球代たまだいを半分はんぶん、弁償べんしょ
(单词翻译:双击或拖选)
 


青木あおきは、小西こにしが、あやまりにきてくれなかったので、わった眼鏡めがね球代たまだい半分はんぶん弁償べんしょうしてもらうことにしました。そして、このことを正吉しょうきち小田おだはなすと、二人ふたりともいっしょにいこうといってくれました。
眼鏡屋めがねや受取証うけとりしょうわすれずに、ってゆくんだぜ。」と、小田おだが、注意ちゅういしました。
正吉しょうきちは、学校がっこうからかえると、道順みちじゅんから、青木あおき小田おださそいにくるのをあいだ金魚きんぎょみずえたりしていました。やがて、そと二人ふたりこえがしたので、正吉しょうきちは、いえたのであります。
小田おだが、小西こにしいえっているというので、ほかの二人ふたりは、ついていきました。さるすべりのいているいえ垣根かきねについてがると、お湯屋ゆやがありました。その付近ふきんには、ちいさな商店しょうてんが、かたまっていましたが、小西こにしうちは、そのなか青物屋あおものやでありました。こちらからると、なすや、きゅうりや、大根だいこんなどが、店先みせさきにならべられて、午後ごご赤色あかいろをしたひかりけていました。
小西こにしは、もう学校がっこうからかえって、うちのてつだいをしていましたが、まずしげなようすからて、正吉しょうきちは、なんだか、かねさせるのは、かわいそうながしました。
にんは、小西こにしが、こちらをいてくれるのをっていましたが、なかなかきそうもありませんので、
小西こにしくん!」と、ついに、小田おだが、ちいさなこえんだのであります。きこえたとみえて、小西こにしは、じっとこちらをました。そして、にっこりわらうと、かれ姿すがたは、おくえてえなくなりました。
「どうしたんだろうね。」
「いま、てくるよ。」
こんなことをはなしているところへ、小西こにしはしってきました。青木あおきは、小西こにしかって、
きみ半分はんぶん弁償べんしょうしてくれない?」といいました。
「いくらなの?」と、小西こにしは、ききました。
青木あおきは、上衣うわぎのポケットから、眼鏡屋めがねや受取証うけとりしょうしてわたしました。
うちまで、きてくれない。」
にんは、小西こにしのあとについてゆきました。みせつぎでは、小西こにし父親ちちおやらしいひとが、肌脱はだぬぎで、わかおとこ相手あいてにして、将棋しょうぎをさしていました。小西こにしが、受取証うけとりしょう父親ちちおやせると、父親ちちおやは、しばらくだまってかんがんでいました。将棋しょうぎ相手あいてをしているわかおとこが、「どうしたんだ?」と、のぞきみました。父親ちちおやは、説明せつめいしているらしかったのです。すると、そのわかおとこは、なにかちいさなこえで、理屈りくつをいっているらしかったが、たちまち、三にんのいるほうかおけて、
「みんながさわいで、わったのだから、みんなで弁償べんしょうするのがあたりまえでしょう。一人ひとり半分はんぶんさせるほうはないだろう。」と、おどすような口調くちょうで、いいました。三にんは、おもいがけない反対はんたいあって、たがいにかお見合わせました。
子供こどもだとおもって、ばかにしている。」と、小田おだがつぶやきました。
このとき、正吉しょうきちは、そのおとこをにらんで、
「いくら、おおぜいがさわいでも、眼鏡めがねばさなければ、われなかったんだろう。」と、いくらか、せきんでこたえました。これにたいして、わかおとこが、なにかいおうとすると、
自転車屋じてんしゃやのおじさん、いいんだよ。」と、小西こにしは、むりにおとこさえました。そして、三にんるようにして、湯屋ゆやまえのすこしばかりのへきました。
「きっと、あげるよ。今月こんげつすえまで、ってくれない? ぼく新聞しんぶん配達はいたつしているのだから、おかねをもらったら、すぐっていくよ。」
そういった、小西こにし顔色かおいろにも、言葉ことばにも、真実しんじつがあらわれていました。
「ああ、いつでもいいんだ。」
青木あおきは、こうこたえました。かれは、小西こにし境遇きょうぐう同情どうじょうしたばかりでなく、むしろ、感心かんしん少年しょうねんだとこころたれたのです。正吉しょうきちも、小田おだかんじたことは、おなじでありました。
にんは、また、もときたみちかえりました。最後さいごまで、だまっていた父親ちちおやや、おどそうとしたわかおとこかおは、三にんにいつまでものこっていて、不快ふかいかんじがしたけれど、小西こにしからは、まったくそれと反対はんたいな、こころよ印象いんしょうけたのであります。自分じぶんたちの世界せかいは、べつだとかんがえたのは、ひと正吉しょうきちだけではなかったのです。いま、小西こにしたいしてかんずるものは、友愛ゆうあいじょうよりほかにありませんでした。
「あっ、わたどりが!」と、小田おだが、大空おおぞらしました。はるかに、そらをたがいにいたわりながら、とおたびをするとりかげられました。
にん無限むげん感慨かんがいで、えなくなるまで、いっしょに、そのとりかげ見送おくっていたのであります。
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