もののいえないもの
小川未明
「どうしたの?」と、
「おかしいわ。いつも
「ばか。だれがけんかなんかするものか。」
「じゃ、どうしたの?」
「なんでもないのだよ。」
「
「そうしたら、どうしたい?」
「どこかへはいって、
ちょうど
「くもという
「きっと、くものお
そのとき、
「きりぎりすにもお
「それは、あるわよ。
「かわいそうだから、
「かわいそうだから、
「
「それはしかたがないわ、やぶの
「もっと
「だんだんきゅうりがなくなるから、それより
「
「それは、わからないけれど、きっとよろこぶにちがいありません。」
とうとう、
「そうものがわかると、
「ほんとうにいい
「いい
そのとき、
いよいよあくる
「
「いいえ、はじめて
そのうちに、きりぎりすは
「やはり、お
なるほど、へびというようなおそろしいものが、やぶの