題しらず
11 あすからは若菜摘まむとしめし野にきのふもけふも雪は降りつつ
山辺赤人
【通釈】
11 明日からは若菜を摘もうとしるしを付けておいた野に、昨日もそして今日も雪は降り続いていて。○一・二句 万葉の原歌では「明日よりは春菜摘まむと」。「若菜」は春の初めに摘む、食用となる野草・山菜。○しめし野 標(しめ)をした野。「標」は占有することを示すために縄を張ったり、杭を打ったりすること。▽原歌は万葉・巻八・一四二七・山部赤人。新撰和歌、古今六帖・第一・若菜、赤人集、和漢朗詠集・春・若菜にも載る。