児童館にあった積み木で道を作って、そこをカナヘビに走らせたり、カナヘビを積み木で囲んで、どこから逃げ出せるのか実験してみたりした。また、外へいって草や砂、石の上を走らせたり、高い所へ持っていったりした。その時、カナヘビがうんていから落ちて、逃げだした。友だちがつかまえようとして、しっぽをつかんでしまったので、しっぽが切れてしまった。その切れ目からは、しっぽとカナヘビがともに血を流していた。
ぼくたちはそのカナヘビを持って、児童館へ帰った。ぼくたちのもっていたカナヘビやしっぽに、興味を示す人もいたが、たいていの人は「キモ」とか「ウワ―」、「オエ」などと言っていた。その時、ぼくはカナヘビのことがかわいそうになった。カナヘビは何も悪くなく、しっぽは切れてもまた生えてくるし、あの時はただ逃げようとしただけで、しっぽはたまたま取れただけだったからだ。
ぼくはこのカナヘビのどこが気持ち悪いのだろうと思った。なぜ人はこういうものを見ると、気持ち悪いというのかなあという疑問もわいてきた。