運動会のかけっこの順位、クラスでの背の順、おやつをもらう順番など、とにかく順位や順番にこだわる。
しかし、一位が良いというわけではなく、与えられた順位に誇りを感じる気質らしい。
だから、運動会で二番になっても「二番が良かったんだよね」と強がりではなく、本気で言う。少なくとも親である僕にはそう感じる。もちろん、一番になったときは、しつこいくらいに自慢してくるのだが。
そんな、娘の順位の中で僕がもっとも気になるものがある。
それは、娘が好きな人やものの順位だ。ちなみに、一位は不動で娘自身なのだが、それ以下の順位は目まぐるしく変化する。
この間たずねてみたら、僕は四位だった。
二位は妻で三位がグラタン。いつもは、娘が大好きなうどんが僕のライバルとして君臨しているのだが、どうやら今回は僕が勝ったみたいだ。
ライバルをあわれむように「うどんは?」と聞くと、娘が「忘れていた」とさっそく順位を訂正しはじめた。
四位がうどんで、五位から八位までに四人の祖父母がランクイン。忘れていたのは、うどんだけではなかったらしい。四位だった僕は、あっという間に九位まで落ちてしまった。
大好きな人から「九番目に好き」しかも「うどんやグラタン以下だけど」なんて言われるなんて、親になる前は思ってもみなかった。
そして、そんな、しあわせな片思いがあることも、子どもを持つまでは知らなかった。