問題点関して、徹底的に論争を行い、相手を打ち負かした方が人気を得て選挙に勝つという、民主主義の原点とも言うべき選挙のやり方が、なぜ①日本では行われないのであろうか。
②「黙って俺について来い」という指導者は、日本では長続きしない、と言われている。日本の指導者は、先頭に立って集団を引っ張っていくのではなく、いくつもある意見の調整役なのだ。つまり、強い個性と明確な方針を持っているような人物は、自分の意見にこだわりすぎるため、他の意見を受け入れない。すると、彼によって受け入れられなかった人々が、もともとはそれぞれ違う意見を持つていたにもかかわらず、団結して反乱を起こし、彼は指導者の地位を追われてしまうことになる。それよりは、一つ一つの意見に耳を傾け、何とか妥協点を見付けて、だれもが賛成できるような一つの結論へとみんなを導いていく、そのような人物がありがたがられるのである。
日本の首相が国際会議の場で、はっきりした見解や意見を言わず、ひたすら各国首脳の聞き役に回っているのも、③そのような調整役を果たそうとしているのである。
(注)形式的なもの:内容を重視せず、決められた手続きに従っているようす
「問い」①「日本では行われない」選挙とは、とんな選挙のことか
1 十分に論争をし、それに勝った人が当選する選挙
2 決められた方法によって形式的に行われる選挙
3 話し合いによって当選する人を決めてしまう選挙
4 前もって選ばれていた人が結局勝つような選挙
「問い」日本では②「黙って俺について来い」という指導者が長続きしないのはなぜか
1 はっきりした見解や意見を述べようとしないので、人に信頼されないから
2 自分の考えを強く持ち、他人の意見を聞かないので、敵ができてしまうから
3 民主主義的な選挙を行わず、指導者として失格だと見なされるから
4 他の人と論争になったとき、相手を打ち負かすことができないから
「問い」③「そのような調整役」とはどのようなことをする人か
1 論争をして相手を打ち負かす人
2 だれを選ぶか前もって決める人
3 先頭に立って集団を引っ張っていく人
4 周りの人の意見を聞き妥協点を導きだす人