①部下の立場にたてば悲劇だ。彼の尺度からは「たしかに悪いところもあるかもしれないが、少しはいいところもあるはずだ。そして間違いなく一生懸命やった」と思っている。結論は、自分の度量のなさにあった。相手の立場にたつことのできない、思考の貧困さにあった。そのことに気づいてからは「いいところ」と「悪いところ」、そして「黙っていても大勢に影響のないところ」の区分けができないようになってきた。
「悪いところ」はもちろん注意しなければならない。これを見逃していては、そのやり方や結果を認めることになる(略)
「黙っていても大勢に影響のないところ」の処遇は重要だ。ここをすべて自分のやり方に合わせようとすると、「細かくうるさいことばかりいう存在」になる。ほおっておくかほおっておかないかの判断基準は、「大勢への影響」である。会社の実務の中では、②この部分が意外に多い。そして、この部分をグッと押さえて黙ることにより、「この程度なら」と認める範囲は、飛躍的に多くなるものである。
そこを含めて「よいところ」と一緒にほめてみる。すると「よいところ」の範囲も件数も多くなる。ほめるところが目に付く数が増える。(略)覚えられないから、忘れないように発生したその場で、すぐほめておくということにもなる。
「問い」下線①「部下の立場にたてば悲劇だ」とあるが、どういう意味か。
1 仕事が自分の思うようにいかないから
2 一生懸命やったのに、認められないから
3 自分のやり方を否定されてしまうから
4 悪いところばかりを取り上げられるから
「問い」下線②「この部分」とはどの部分か。
1 ほおっておくかほおっておかないかの判断の部分
2 自分のやり方に合わせようとする部分
3 大勢へ影響があるかどうかの部分
4 「この程度なら」と認める部分
「問い」筆者がこの文章で言いたいことはどのようなことか。
1 「よいところ」は取り上げる範囲を広げてほめて、「悪いところ」は見逃すとよい
2 「よいところ」と「黙っていても大勢に影響のないところ」をすぐその場でほめるとよい
3 「悪いところ」と「黙っていても大勢に影響のないところ」はグッと押さえて黙っているとよい
4 「よいところ」「悪いところ」「黙っていても大勢に影響のないところ」のほめ方を変えるとよい