久し振りの『関西弁講座』です。
永らくお待たせ致しました。
さて、今日のお題は、異人さんに対する関西弁です。
※「異人」という言葉が差別的であると解釈される方へお願い。
この文章では外国から来日し、滞在している人を全て「異人さん」と表現しています。
決して差別的に使用しているのではない事をご了承下さい。
中学の時、国語の教科書に、日本語で覚えると一番便利な言葉は何かという話がありました。
著者は『どうも』だと書いてありました。
冠婚葬祭、すべてこの『どうも』一言で、様になります。
その話のオチは、異人さんに『どうも』の意味を教えてくれと聞かれて、「それはどうも…」と答えを誤魔化したというものでした。
確かに日本語は難しいです。
しかも、お行儀のよい日本語ばかりを教えてくれる人はあまりいません。
ある人物が、異人さんに日本語を教えてあげると言って以下の言葉を一生懸命教えていました。
『しばくぞぉ』、『ダボ』
全く品位を感じられない言葉を教えるんじゃないと、ツッコんでしまいました。
大体、そういう事を言う日本人が居るから言葉の悪い異人さんが増えてくるのです。
この間、飲みに行った店で働いている異人さんに「しゃっくぞ」と言われた時は、本気でしばきまわしたろか?と思いました。
ところが、本人は全く悪気はなく、別の客に「あら、いやだ~?」くらいの意味で教わったと言うのです。
どこのどいつだ!と私は言いたい。
どうして、もっと綺麗な言葉を教えない!
そこで私、電人ブンボウガが異人さんに「日本語を習う時の心得」を伝授したいと思う。
我が命、我が物と思わず…。
これは、「隠密同心心得の条」。
一つ、夜の繁華街で知り合った人間からは教わるな!
大抵の場合、アルコールが入っているので、ロクな事はありません。
また、スナックやクラブなどの接客業で働いているのであれば、客の使う言葉を絶対にマネてはいけません。
一つ、恋人の言葉は覚えるな!
これは何故?と思われるかも知れませんが、男性の恋人は女性が圧倒的に多いでしょう。
そうすると恋人の言葉を覚えるとその男性の使う言葉は「おねえ言葉」になってしまいます。
オスマン?サンコンさんを見ればよくわかるでしょう。
一つ、教わった言葉は必ず意味を聞け!
いい加減な言葉を教えているヤツは言葉の意味を聞かれた時に必ず誤魔化します。
真剣に説明してくれるヤツほど、真面目に教えてくれているヤツです。
一つ、テレビはNHKだけなく民放も見ろ!
NHKは言葉が綺麗です。
過ぎると言ってもよいほどです。
だから、できるだけNHKで言葉を憶えて欲しいところですね。
しかし、残念な事にNHKは異人さんが見て楽しい番組は結構少ない。
だから、適当に民放もみましょう。
この4つの心得を守れば、きっと綺麗な日本語を身につける事ができるはず。
(実績はありません)
まあ、日本に限らず、外国へ行こうという人達は観光とは違いそれなりの覚悟を持って来ているはず。
こんな心得なくとも、すぐに言葉の壁は取り除かれる事でしょう。
で、異人さんに是非とも使ってもらいたい関西弁を紹介しましょう。
店で買い物をする時にもらいたい関西弁。
「ねえさん、勉強して~な。むっちゃ遠いとこから来てんねんで。足代もでえへんわ」
「そら、遠いっちゅーねん」というツッコミが返ってきたら完璧です。
勝負服を着ている時に使ってもらいたい関西弁。
「この『よそいき』、ええやろ?舶来もんやで」
※『よそいき』とは他所(よそ)へ行く時用という意味で外出着の事を言う。
私は高校生の時、寝巻き用のスエットとよそいき用のスエットを持っていたが、誰も気付いてくれなかった。
「そりゃ、君と一緒に来たんやったら、舶来もんやろ」というツッコミが返ってきたら完璧です。
喫茶店でウエートレスが注文を取って、席を離れた瞬間に使ってもらいたい関西弁。
「ヨウコ!どこ行くんや。子供二人も堕ろしといて、それはないやろ?」
名前は何でもOKですが、洒落になりませんのでご注意下さい。
ツッコミは多分、平手打ちです。
インドの人にカレー屋で使ってもらいたい関西弁。
「うわ!めっちゃ辛いやんけ、ここのカレー。インド人もびっくりや」
ベタベタのオチですが、隣近所の人は鼻からルーです。
西洋人の人に使ってもらいたい関西弁(?)
「私、生マレモ育チモ中国ハ広島アルヨ」
関西人にとって中国人とはゼンジー北京師匠とイコールなのです。
実際には中国の方はあんなヘンな喋り方しません。
いかがでしょうか?
ここに書いてある関西弁は日本人が使っても、面白くとも何ともない関西弁です。
しかし、それを異人さんが使う事で、ユーモラスに聞こえる優れものばかりです。
さり気ないところで、自転車を「チャリ」、「チャリキ」、「チャリンコ」と呼ぶのもポイントが高いです。
使用例)「ヘイ!チャーリー!チャリ貸して」
ベタベタです。
ハチミツが手に付いたくらいベタベタです。
しかし、これを異人さんがするから、笑えるのです。
また、道を説明する時は必ず「ドンツキ」という言葉を入れましょう。
例え遠回りになろうとも、「ドンツキ」を入れて下さい。
関西風の道の説明には「ドンツキ」は必要不可欠なのです。
最後に…。
異人さんが関西で何か答えに困った時は、こう言って下さい。
ギブ!