1、 応接室での応対の仕方
(1) アポイントがある来客への応対
担当者:お待たせしてどうも申し訳ありませんでした。
李 :いいえ、お忙しそうで。
担当者:ええ、まあ。早速ですが、用件を先に済ませてしまいましょう。
李 :そうですね。実は貴社の案を検討させていただいたのですが、・・・
(2) 来社を要請した来客への応対
担当者:お呼び立てして、どうも申し訳ありませんでした。
李 :いえ、私も近くまで来るついでがありましたから。それで何か急なご用件と
のこ とでしたが、・・・。
担当者:ええ、かいつまんで申し上げますと、・・・
(3) アポイントがない来客への応対
担当者:お待たせしてどうも申し訳ありませんでした。営業二課の佐藤です。
李 :どうもお忙しいところを突然お邪魔いたしまして、申し訳ありませんでした。私、○○社で営業を担当しております李と申します。
・・・(名刺交換がされる)・・・
担当者:あのう、誠に申し訳ございませんが、少し仕事が取り込んでいるもので、手短にご用件をお願いできませんか。
李 :はい、実はこの度当社が開発いたしました××××(商品名)の件で、お取り引き願えないかと伺った次第です。
(4) 面識のない来客への応対
担当者:お待たせしてどうも申し訳ありませんでした。営業二課の佐藤です。
李 :どうもお忙しいところを突然お邪魔いたしまして、申し訳ありませんでした。私、○○社で営業を担当しております李と申します。貴社の営業一課にいらっしゃる△△さんには、いつもお世話になっています。
担当者:えっ?△△とお知り合いでしたか。これはどうも失礼しました。それで、今日わざわざお越しくださったのは、どのようなご用件で?
李 :実は、私、貴社の担当として新しく配属されましたので、ご挨拶かたがたお伺いしました。
担当者:これはどうもご丁寧に。
常套表現と解説
・ お待たせして、どうも申し訳ありませんでした
お呼び立てして、どうも申し訳ありませんでした
わざわざご足労いただき、どうも申し訳ありませんでした
・ どのようなご用件でしょうか
手短にご用件をお願いできませんか
・ お忙しいところを突然お邪魔いたしまして、申し訳ありませんでした
貴社の○○課にいらっしゃる△△さんには、いつもお世話になっています
日本のビジネスマンは分単位のスケジュールで動いているとも聞いていますが、貴重な時間ですから、用件の説明は簡潔にするのが原則です。
まず、来客を迎える側が先に、・のように速やかに切り出し、待たせた非礼を詫びることが大切です。アポイントがあるかないかに関わらず、「お客様は神様です」から、決してお客の側から言わせないようにしましょう。なお、「お呼び立てして~/ご足労いただいて~」は相手側に来てもらったときのお礼の言い方です。
・は用件を尋ねるときの言い方で、・はそれに対して用件を言うときの言い方です。ビジネスの世界では、長々と結論に至る経過を述べるよりも、先に結論を言って相手の質問に答える形で商談を進めた方が有効です。
なお、あなたがアポイントなしで訪問したり、初対面の相手と話したりするとき、もし相手側の会社の中に知り合いがいたら、会話例(4)のように「貴社の営業一課にいらっしゃる△△さんには、いつもお世話になっています」と一言付け加えると、相手の警戒心も解けますし、話がスムーズに進むことでしょう。
なお、「商談の進め方」は次章に載せてありますので、そちらを参照してください。