(1) 親睦型の接待の受け方・断り方
<受ける>
取引先:いかがでしょう。お近づきの印に、今夜おつきあい願えませんか。
李 :そうですね。私も今日はこれで仕事もありませんし、喜んでご一緒させていただきます。
取引先:では、○○時に一回ロビーでお待ちしておりますので。
李 :はい。ではその時。
<断る>
取引先:いかがでしょう。お近づきの印に、今夜おつきあい願えませんか。
李 :せっかくですが、今日はこの後、他の得意先回りが残っておりますので。
取引先:そうですか。残念ですねえ。
李 :またの機会に、ぜひ。
(2) 商談型の接待の受け方・断り方
<受ける>
取引先:いかがでしょう。場所を変えて、この話の続きをするということにいたしませんか。会社では、どうしても本音のところが話せませんから。
李 :ええ、それもいいですね。では、
取引先:では、早速、でかけましょう。近くになじみの店がありますので。
李 :ええ、お供させていただきます。ちょっとすみませんが、会社の方に電話を掛けてまいります。
<断る>
取引先:いかがでしょう。場所を変えて、率直なところを話し合いませんか。
李 :ええ、しかし、私は一営業担当に過ぎませんし、それに、不調法ながら私はお酒が飲めませんので。
取引先:そうですか。それでは無理にとは申せませんね。
李 :申し訳ございません。
常套表現と解説
・ 喜んで、ご一緒させていただきます
お供させていただきます
・ せっかくですが、まだ仕事が残っておりますので
せっかくですが、得意先回りが残っておりますので
あいにく、今日は息子の誕生日でして
ぜひお供させていただきたいのですが、あいにく今日は~ので
不調法ながら、私はお酒が飲めませんので
日本人が「おつきあい願えませんか」とか「場所を変えて」という場合、ほとんどの場合、酒の席です。これ以外にも接待ゴルフ、接待麻雀などがありますが、ここでは取り上げていません。ただ、ビジネス上の接待の受け方や断り方には決まった言い方がありますから、覚えておきましょう。
さて取引先から接待を受けたとき、ビジネスといえども人間関係が基本ですから、よほどの理由がない限り断らない方がいいでしょう。ただし、忘れてはならないのは、接待を受けたら必ず接待して返すことで、常に五分五分の関係を維持しておかなければなりません。でないと対等な交渉が成立しなくなる恐れがあります。これはビジネスマンが常に心がけておくことでしょう。
断りには仕事を口実にするのが一番ですが、それでも強く誘われたら、「不調法ながら私はお酒が飲めませんので」とか、「あいにく、今日は息子の誕生日でして」のように家庭の事情を話せば、たぶん相手はそれ以上言わないでしょう。