第25課 大陸は動く
ここに、一枚の地図がある。大西洋を中心に、東側にアフリカ大陸とヨーロッパ、西側に南北アメリカ大陸が描かれている。この地図をじっくり眺めてみよう。何か気づくことはないだろうか。
試しに、アフリカの西海岸と南アメリカ海岸とを合わせてみよう。二つの海岸線は、まるではめエパズルのように、見事に重なり合ってしまうではないか。こんな不思議なことが、偶然に起こるものだろうか。
今から70年余り前、ドイツの気象学者アルフレッド=ウェゲナーは、この海岸線の謎に気づき、強く興味をそそられた。何故、こんなことが起こったのだろうか。あるとき、ウェゲナーの頭に大胆な考えがひらめいた。大西洋の東と西の大陸は、もともとくっついていたのではないか。それが二つに分かれて移動し始め、今では何千キロメートルも離れてしまったのではないか。
これは、あまりにも常識を超えた、とっぴな考えであった。けれども、研究を進めるにつれて、ウェゲナーは、この考えの正しさに次第に確信を深めていった。
もし、もともと一つの大陸であったのなら、大昔の古い地層は、両方の大陸でつながっているはずである。調べてみると、アフリカの昔の山脈が、南アメリカの南部につながっていることが分かった。地層の重なり方がびったり一致するだけでなく、遠く離れた二つの大陸の同じ地層から、同じ種類の化石が発見された。また、ある種類のカタツムリは、世界中でも、ヨーロッパの西部と北アメリカの東部にしか住んでいないことも分かった。カタツムリが、大西洋を泳いで渡ることなどできるだろうか。
こうして、ウェゲナーの研究は、世界各地の動物や植物、古い化石、昔の氷河の跡などへと、次々に広がっていった。その結果、アフリカと南アメリカだけでなく、現在海を隔てて離れ離れになっているすべての大陸は、大昔は一つにつながっているたのだ、と考えるようになった。この一つの大きな大陸は,[パンゲア」と呼ばれている。パンゲアとは、「すべてが一つの大陸」と言う意味である。
ウェゲナーが唱えたこの「大陸移動説」は、世界中の人々を驚かせ、学者たちの議論の的となった。
しかし、多くの学者たちは、この説に賛成しなかった。重く大きな大陸が、どうのようにして何千キロメートも航海できたのか、その原動力がはっきりしなかったからである。
ウェゲナーが出したいくかの仮説は、どれも大陸を動かせるような大きな力ではなく、皆消えていった。結局、その原動力を探し出すことができず、わずか20年ののちには、大陸移動説はすっかり忘れ去れてしまった。
それからまた20年、1950年代になると、私たちが住む地球に関する観測や研究が発展してきた。そして、海底や地球の内部の様子、地震の原因が少しずつ明らかになるにつれて、一度見捨てられた大陸移動説が、再びよみがえってきたのである。
大陸を動かす原動力は、何だったのだろうか。その前に、目を海底に向けてみよう。大西洋の真ん中には、ほぼ南北に、海底山脈が延々と走っている。長さにして地球の一周の約3分の1、高さ3千メートルに達する大山脈である。その頂に沿って、たくさんの地震が起こっている。また、山脈の近くのかいていの温度を調べてみると、他の場所よりもはるかに高いことが分かった。海底山脈の所では,何か大変な出来事が起こっているに違いない。
実は、海底山脈の真下には、岩石がどろどろに溶けた熱いもの(マゲマ)が湧き上がってきているのである。マゲマは、海底まで上がってくると、やがて冷え固まって、岩盤となる。もう少し深いところでは、完全には冷え固まらず、海底の岩盤の下を左右に分かれて流れていく。固まりかけの岩石は、ゆっくり、まるで液体のように流れることができるのである。この流れに乗って、海底の岩盤は左右に広がりながら動いていく。こうして、海底山脈のしたでは、次々に新しい岩盤が生まれ、送り出されているのである。
海底の岩盤の上にある大陸は、この広がる岩盤に乗って運ばれ、だんだん離れていく。大陸を動かす原動力は、動く海底の岩盤だったのである。
海底の岩石ができた年代を調べてみると、海底山脈の近い所では若く、遠く離れるにつれて、次第に年をとっている。一年間にわずか数センチメートルと言う非常にゆっくりとした速度ではあるが、海底は確実に動いている。
やはり、アフリカと南アメリカとは、もとは一つの大陸だったのだ。それだけでなく、地球のすべての大陸は、ウェゲナーが言ったように、ただ一つの大陸、パンゲアだったにちがいない。一枚の地図からウェゲナーの頭にひらめいて夢のような考え、大陸移動説は、科学の進歩によって見事に証明されたのである。
词汇Ⅰ
大陸 (たいりく) (0) [名] 大陆
描く (えがく) (2) [动1] 画,描绘
気づく (きづく) (2) [动1] 注意到
試しに (ためしに) (3) [词组] 试,尝试
海岸 (かいがん) (0) [名] 海岸,海滨
合わせる (あわせる) (3) [动2] 合起,合并
海岸線 (かいがんせん) (0) [名] 海岸线
はめ絵 (はめえ) (0) [名] 拼图玩具,拼贴画
パズル (1) [名] 难题,谜
重なり合う (かさなりあう) (5) [动1] 互相重叠
偶然だ (ぐうぜんだ) (0) [形动] 偶然
気象学者 (きしょうがくしゃ) (5) [名] 气象学者
なぞ (0) [名] 谜
ひらめく (3) [动1] 忽然想出,闪现
くっつく (3) [动1] 挨着,接合
移動し始める (いどうしはじめる) (7) [动2] 开始移动
何千 (なんぜん) (3) [名] 几千
常識 (じょうしき) (0) [名] 常识
とっぴだ (0) [形动] 离奇,与众不同
正しさ (ただしさ) (3) [名] 正确
確信 (かくしん) (0) [名] 确信
深める (ふかめる) (0) [动2] 加深
大昔 (おおむかし) (3) [名] 远古
地層 (ちそう) (0) [名] 地层
両方 (りょうほう) (0) [名] 两边,两方
山脈 (さんみゃく) (0) [名] 山脉
南部 (なんぶ) (1) [名] 南部
重なる (かさなる) (0) [动1] 重叠
ぴったり (3) [副] 正合适,完全一致
一致する (いっちする) (0) [动3] 一致
化石 (かせき) (0) [名] 化石
カタツムリ (3) [名] 蜗牛
西部 (せいぶ) (1) [名] 西部
東部 (とうぶ) (1) [名] 东部
こうして (0) [词组] 这样
氷河 (ひょうが) (1) [名] 冰川
隔てる (へだてる) (3) [动2] 隔,间隔
ひとつながり (2) [名] 连在一起
議論 (ぎろん) (1) [名] 议论
的 (まと) (0) [名] 靶子,目标
航海する (こうかいする) (1) [动3] 航海
原動力 (げんどうりょく) (3) [名] 原动力
仮説 (かせつ) (0) [名] (哲学、科学等的)假设
皆 (みな) (0) [名] 全,都
結局 (けっきょく) (2) [名] 结果,归根到底
探し出す (さがしだす) (4) [动1] 找到,找出
忘れ去る (わすれさる) (4) [动1] 忘记,忘却
急速だ (きゅうそくだ) (0) [形动] 快速,迅速
海底 (かいてい) (0) [名] 海底
内部 (ないぶ) (1) [名] 内部
再び (ふたたび) (0) [副] 再,又,重
よみがえる (3) [动2] 复活,复苏
向ける (むける) (0) [动2] 向,朝
真ん中 (まんなか) (0) [名] 正中
ほぼ (1) [副] 大体上,大致
えんえんと (0) [副] 蜿蜒
一周 (いっしゅう) (0) [名] 一周,一圈
頂 (いただき) (0) [名] (山)颠,(物的)顶
沿う (そう) (1) [动1] 沿,顺
温度 (おんど) (1) [名] 温度
真下 (ました) (3) [名] 正下方
岩石 (がんせき) (1) [名] 岩石
どろどろに (0) [副] 稠糊
溶ける (とける) (2) [动2] 溶化
マグマ (1) [名] 岩浆
沸き上がる (わきあがる) (4) [动1] 涌现,沸腾
冷え固まる (ひえかたまる) (5) [动1] 变冷凝固
岩盤 (がんばん) (0) [名] 岩浆岩,火成岩
完全だ (かんぜんだ) (0) [形动] 完全
送り出す (おくりだす) (4) [动1] 送出,发出
年代 (ねんだい) (0) [名] 年代
数センチメートル (すうセンチメートル) () [名] 几厘米
速度 (そくど) (1) [名] 速度
確実だ (かくじつだ) (0) [形动] 确实
証明する (しょうめいする) (0) [动3] 证明,证实
大竹正和 (おおたけまさかず) (0)+(2) [专] 大竹政和
大西洋 (たいせいよう) (3) [专] 大西洋
アフリカ大陸 (アフリカたいりく) (5) [专] 非洲大陆
アメリカ大陸 (アメリカたいりく) (5) [专] 美洲大陆
南アメリカ (みなみアメリカ) (4) [专] 南美洲
アルフレッド?ウェゲナー (0)+(1) [专] 阿尔弗雷德?维格纳
北アメリカ (きたアメリカ) (3) [专] 北美洲
パンゲア (0) [专] 泛大陆
大陸移動説 (たいりくいどうせつ) (0)+(2) [专] 大陆移动说
…ず,… …につれて,… ~周 (しゅう) …かけ
…ではあるが,… ~千 (せん) ~にして
~に沿って (にそって) 数~ (すう)
词汇Ⅱ
現象 (げんしょう) (0) [名] 现象
起こり始める (おこりはじめる) (6) [动2] 开始发生
だます (2) [动1] 骗,欺骗
見つかる (みつかる) (0) [动1] 找到,找出
がっかりする (3) [动3] 失望
深まる (ふかまる) (3) [动1] 加深
備わる (そなわる) (3) [动1] 具有,具备
読み進む (よみすすむ) (4) [动1] 继续读下去
取り組む (とりくむ) (3) [动1] 专心致志
片目 (かため) (0) [名] 一只眼睛
設計する (せっけいする) (0) [动3] 设计
列 (れつ) (1) [名] 行列,队列
及ぶ (およぶ) (0) [动1] 达到,长达
節約 (せつやく) (0) [名] 节约
水分 (すいぶん) (1) [名] 水分
線路 (せんろ) (1) [名] 线路,轨道
会場 (かいじょう) (0) [名] 会场
瓶 (びん) (1) [名] 瓶子
ジャム (1) [名] 果酱
こぼれる (3) [动2] 溢出,洒落
汚れる (よごれる) (0) [动2] 脏
値下がりする (ねさがりする) (0) [动3] 价格跌落
地理 (ちり) (1) [名] 地理
地形 (ちけい) (0) [名] 地形
陸 (りく) (0) [名] 陆地
列島 (れっとう) (0) [名] 列岛,群岛
氷山 (ひょうざん) (1) [名] 冰山
太平洋 (たいへいよう) (3) [专] 太平洋
インド洋 (インドよう) (3) [专] 印度洋
北極 (ほっきょく) (0) [专] 北极
南極 (なんきょく) (0) [专] 南极
课 程 译 文
第 25 课 大陆移动
这里有一张地图,以大西洋为中心,东侧画的是非洲大陆和欧洲,西侧则是南北美洲大陆。仔细观察一下这张地图,您是否注意到了什么?
试着把非洲的西海岸和南美洲的东海岸对接一下,简直像神奇的拼贴后似的,不是正好重合在一起了吗?这种不寻常的现象,难道是偶然发生的吗?
距今70多年以前,德国的气象学家阿尔弗雷德·维格纳注意到这个海岸线之谜,对它产生了强烈的兴趣。为什么会出现这种现象呢?有一次,维格纳脑海中闪现出一个大胆的想法,即大西洋东西两面的大陆会不会原来是在一起的?它是不是分裂成两部分并开始移动,到现在就相隔了几千公里?"这是个超越一般常识的离奇没想。但是,随着研究的继续,维格纳逐渐对这个设想的正确性深信不疑了。
如果原来是一个大陆,那么远古的地层应该是两方的大陆连接在一起的。经过调查得知,非洲的古山脉与南美南部相连。不仅地层的重叠方式完全一致,而且从相隔遥远的两个大陆的相同地层中发现了同类化石。另外,还查明有一种蜗牛仅生存于欧洲的西部和北美的东部。难道蜗牛能游水横渡大西
洋?
这样,维格纳的研究范围从世界各地的动、植物到古化石及古代冰川的遗迹等,不断扩大。结果他认为:不仅是非洲和南美洲,现在隔海相望、分散开来的所有大陆,、在远古时代都是连接在一起的。他给这块大陆取名为"泛大陆"。"泛大陆"就是"整体是一个大陆"的意思。
维格纳提出的"大陆漂移说",使全世界的人们为之震惊,从而成为学者们议论的焦点。但有很多学者不赞成这个说法。因为没有搞清楚沉重而巨大的陆地是依靠什么原动力航海几千公里的。
维格纳提出过几种假设,但哪个都不足以成为推动大陆的巨大力量,全部销声匿迹了。结果没能找到那种原动力,只过了二十年,大陆漂移说就被彻底遗忘了。
从那以后又过了20年。到了二十世纪五十年代,对我们居住的地球的观测和研究有了飞速发展。于是,随着对海底、地球内部状况以及地震的原因渐次明了,曾一度被抛弃的大陆漂移说又复活了。
推动大陆的原动力是什么呢?回答这个问题之前,先让我们看看海底吧。大西洋的正中绵延着一条近于南北走向的海底山脉。其长度约为地球一周的三分之一,是高达三千米的巨大山脉。沿着这条山脉的顶部,发生过多次地震。另外,测一下山脉附近的海底温度。得知那里比其他地带的温度高得多。在海底山脉那里一定发生着什么重大的事情。
其实,海底山脉的下面不断向上翻涌着岩石熔化成的稠糊的炽热物质(岩浆)。这些岩浆涌上海底后,不久便冷却,变成固体的岩浆岩。稍深部位的岩浆没有完全冷却凝固。便从海底岩浆岩下面向左右溢出。即将凝固的岩石可以像液体那样缓慢地流动。乘着这股岩流,海底岩浆岩也向左右移动、蔓延。这样,海底山脉下面不断产生新的岩浆岩,向外扩展。
海底岩浆岩上的大陆乘着这块扩展的岩浆岩运行,渐渐越离越远。推移大陆的原动力正是活动于海底的岩浆岩。
查看海底岩石的生成年代,海底山脉附近的地方年轻,而距离远的地方依次年久。其速度一年内仅几厘米,非常缓慢,但海底确实在移动。
非洲和南美洲原来确是一个大陆。不仅如此,仍如维格纳所说,地球上所有的大陆原来肯定就是一个,即"泛大陆"。由一张地图引起而闪现于维格纳脑海的离奇没想--大陆漂移说,由于科学的进步而出色地得到证明。
文法:
1、….だろうか(提出问题的表达方式)
この現象はいつ起こり始めたのだろうか。
実験によって明らかにすることはできないだろうか。
2、…だろうか(反语)
こんな小さな子供にできるだろうか。
こんな寒い日に泳げるだろうか。
3、…ず、…
友人の住所が分からず、会えなった。
せっかくのごちそうが食べられず、残念だった。
まだ建物が完成せず、仕事を始めることができない。
4、…につれて、…
実力が付くにつれて、自信も備わってきた。
新しい土地に慣れるにつれて、毎日が楽しくなってきた。
本を読み進むにつれて、面白くなってきた。
言葉の使用の仕方:
1、 じっくり:この問題について、みんなでじっくり考えてみよう。
2、 試しに…(て)みよう:試しにもう一度数を数えてみよう。
3、 見事に:彼が設計したビルが、見事に完成した。
4、 アルフレッド.ウェゲナー:(1880-1930。ドイツの気象学者、地球物理学者。1912年に「大陸移動説」と言う説を発表した。)
5、 頭に大胆な考えがひらめいた:(脑海里闪现出一个大胆的设想)
6、 とっぴな:彼女は、いつもとっぴな服装で歩いている。
7、 忘れ去られる:いやな思い出は全部忘れ去って、新しい生活を始めよう。
8、 見捨てられる:彼は悪いことばかりしていて、とうとう親にも見捨てられた。
9、 よみがえる:子供のころの思い出がはっきりとよみがえってきた。
10、 何だったのだろうか:彼が言いたかったことは何だったのだろうか。
11、 えんえんと:渋滞の列が、延々と続いている。
12、 長さにして(=長さは):この方法でやると、時間にして40分くらいの節約になる。
13、 ~に沿って:川に沿って道がある。
14、 …かけ:テーブルの上には、食べかけのご飯があった。
15、 どろどろ:瓶が倒れて、中からジャムがどろどろこぼれた。
16、 …であるが、…:少しずつではあるが、土地が値下がりし始めた。
17、 地図、地勢について言葉:地理、地形、地層、地図、陸、大陸、島、列島、海、太平洋、大西洋、インド洋、海底、海岸、海岸線、北極、南極、氷河,氷山