返回首页

踊り人形(4)_ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记)_福尔摩斯探案集_日语阅读_日语学习网

时间: 2024-10-24    作者: destoon    进入日语论坛
核心提示:「今日すぐ帰らなくちゃなりません。どんなことがあっても妻を夜ひとりで残してはおけません。あれは非常に神経質になって、ぜひ
(单词翻译:双击或拖选)

「今日すぐ帰らなくちゃなりません。どんなことがあっても妻を夜ひとりで残してはおけ

ません。あれは非常に神経質になって、ぜひ帰って来てくれとせがみます」

「それもそうでしょうな。しかし、もう一日二日お泊りになれるなら、ご一緒に参ること

ができるんですがね。それじゃ、この紙きれはみんなお預け下さい。近くお訪ねして事件

に目鼻をつけることができると思います」

 シャーロックホームズは、客が帰るまではいつもの冷静な職業的態度を保っていた

が、彼をよく知っている私には、彼が大いに興奮しているのがたやすくわかった。ヒルト

キュービットの幅広い背中がドアの向こうに消えてしまうと、ホームズはテーブルに

とびついて、踊り人形の絵の写しとった紙片を全部目の前にひろげて、こみ入った念入り

な計算を始めた。

 二時間ものあいだ、何枚も紙を出しては、数字や文字を書きちらしていた。まるで夢中

になって、側で見ている私の存在を忘れてしまっているようだった。ときには仕事がうま

くはかどって、口笛を吹いたり歌い出したりした。またときには仕事が進まないで、眉を

しかめ、うつろな目を見開いて坐りこんだまま、長いこと考えこんだりした。

 とうとう彼は満足の叫びをあげて椅子からとび上がると、両手をこすり合わせながら部

屋の中を行ったり来たりした。それから海底電信用の頼信紙 らいしんし に長い電文をしたため

た。

「ワトスン君、この返事が思い通りのものだったら、君の事件記録にはすてきな事例がひ

とつふえるわけだよ。明日にもノーフォークに出かけて、あの男の悩みの秘密に関して何

か決定的な報告をしてやることができると思うよ」

 実は私は好奇心で胸が一杯になっていたのだが、ホームズが、好きなときに好きなやり

方で発表したがることを知っていたので、彼が勝手なときに打ち明けてくれるのを待つこ

とにした。

 しかし電報の返事は遅く、二日のあいだ、いらいらと待っていなければならなかった。

ホームズは玄関で呼鈴が鳴るたびに耳をそばだてた。

 二日目の夕刻になって、キュービット氏から手紙が来た。別に変わったこともないが、

今朝日時計の台石の上に、踊り人形の長い行列が書いてあったからというのだった。写し

を同封してあったが、次のようなものである。

踊り人形5

 ホームズは、のしかかるようにして、しばらくその奇怪な一連の絵模様をあらためてい

たが、突然ぴょんと立ち上がって、驚きうろたえた叫び声をあげた。心痛のあまり顔がや

つれて見えた。

「放っているうちに、たいへんなことになってしまった。ノースウォルシャムまで、今

夜まだ汽車はあるかい」

 私は時間表をくってみた。最終列車が出たところだった。

「じゃあ、明日、朝飯を早く済ませて一番列車に乗ろう。緊急に行ってやらなくちゃ。あ

あ、待ちに待った海底電報が来たぞ。ハドスンさん、ちょっと待って……返事を出すかも

知れませんから。いや、いいです。こいつはまるで思っていた通りだ。一刻も早くキュー

ビット氏に情勢を知らせてやらなければならないんだが、この電報でますます愚図 ぐず つい

ていられなくなった。あの単純なノーフォークの地主は、まれなる危険な網にからみつか

れているんだ」

 たしかにその通りだったのだ。初めはいっぷう変わった子供だましの事件にすぎまいと

思っていたのだったが、あの暗い結末を思い浮かべると、私はあのときの驚愕 きょうがく と恐怖

にふたたびおののく思いがする。読者諸君にはもっと明るい結末をお伝えしたいのだが、

これは事実の記録であるのだから、当時わが国の津々浦々 つつうらうら までリドリングソープ荘

園の名をとどろかせたこの一連の異常な事件のあとをたどって、暗い危機の場面まで書か

なければならないのだ。

 ノースウォルシャムの駅で汽車を降りて、目ざす家の名を口にするや否や、駅長がと

んで来た。「ロンドンの刑事さん方ですね」

 ホームズはふっと迷惑の色を浮かべた。

「どうしてそんなことをおっしゃいます」

「ノリッジ市のマーティン警部さんが、ついさっきお着きでしたからね。それとも病院の

お方ですか? 奥さんはまだ息があるそうです……いや、今までのところ、そういう話で

す。まだ間に合うでしょう。どうせ助かったところで絞首台行きでしょうがね」

 ホームズの額に不安のかげがさした。

「これからリドリングソープ荘園に行くところなんですが、われわれは事件のことは初

耳なんです」

「いや、おっそろしい話ですよ」駅長は言った。「キュービットさんも奥さんも、ふたり

とも射たれましてね。それも奥さんがご主人を射っておいて自分も射ったんですな……女

中の話ですが。ご主人は死にましたが、奥さんのほうも望みなさそうですよ。なんともは

や、ノーフォークで一番の旧家で、しかもきっての名門だというのにねえ」

 ホームズは返事もせずに馬車のほうに急いだ。七マイルの長い道のりを揺られながら、

彼はひと言も口をきかなかった。彼がああまでしょげ返るのは、滅多にないことだった。

ロンドンからの車中でも、終始落ち着かず、心配そうに注意深く朝刊をひっくり返してい

たのだったが、こうして突然、恐れていた最悪の事態が現実に発生したと聞かされて、彼

は完全に気が滅入ってしまったのだ。座席の背にもたれこんで、彼はぼんやりと暗い思索

にふけっていた。しかも、あたりにはわれわれの心をとらえるものがたくさんあった。馬

車はイギリスで最も風変わりな田園地帯を通っていたのだ。ところどころにたつ田舎家は

今日の住民のさまを現わしていたが、一方では緑の平地のそこここに立ち並ぶ巨大な四角

い塔のある教会が、かの東アングリア王国時代の栄光と繁栄を物語っていたのだ。

 とうとう、ノーフォーク海岸の緑の岸辺のかなたに、紫色の北海が見えてきた。馭者が

鞭をあげて、煉瓦と木で作った古い破風 はふ がふたつ、木立に突き出て見えるのを指した。

「あれがリドリングソープ荘園です」

 柱廊 ちゅうろう 造りの玄関に乗りつけて行くとき、私は玄関の前の芝生のテニスコートのか

たわらに、奇妙ななじみになった例の黒い道具小屋、それに台石にのった日時計なるもの

を見てとった。

 背高の二輪馬車から、蝋固 ろうがた めの口髭をたくわえて、身なりのきりっとした、動作の機

敏な小男が降りたったところだった。彼は自己紹介してノーフォーク警察のマーティン警

部と名乗ったが、相手がホームズと知って、かなり驚いた様子であった。

轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%

热门TAG:
  • 上一篇:暂无
  • 下一篇:暂无
推荐内容
热点内容
论坛新贴