12.別れ上手になる
恋愛はマジッケのようなもの。
いくら頑なに恋を拒んで生きていたとしても、出会いは神様のいたずらのように、ある日突然訪れる。
恋をした瞬間から、あなたの時間は輝きに包まれ、以前とは全く違うものになる。信じられぬほどのエネルギーが心の底から沸きあがってくるのをあなたは体験する。
恋が終わることは、そうした輝きを失うことを意味する。だからこそ、奈落の底に突き落とされるかのようなショックに見舞われるのだ。
「私の人生は終わってしまった」
そう思ったとて不思議はない。
鋼鉄の心臓を持っているのなら話は別だが(まず、そんな人間はこの世にいない)、恋人を失ったという喪失感は、多大な精神的ダメージをもたらさずにはいない。
そんな時、どうしたら、失恋なダメージからたちなおることができるだろう。
これといった得策があるとは思えない。最終的には、時が心を癒してくれるのを待つしかないのかもしれない。
ただし独りぼっちになった不安から、次々に別の恋に走っても、傷口を広げることにしかならないことは確かだ。不安を覆い隠すだけの恋は決して長つずきはしない。
もし別れ上手になりたければ、なぜ二人の関係が破綻したのかをしっかりと認識することだろう。そうした認識の積み重ねが、自分自身を知ることにつながっていく。
恋は自分自身を深く知るためのとてもよいレッスンなのだ。