17.傷心旅行の勧め
親しい友人が突然亡くなってしまったり、肉親の死に遭ったときなどは、心がそこにとどまって、ただ悲嘆に暮れるだけのつらい時が流れる。その悲しみの深さは外側から計りしれないほど、悲痛なものがあるだろう。
悲しみで心がにっちもさっちもいかなくなったとき、ちょっと落ち着いたら、旅に出るのはどうだろう。
あるいは八方塞がりだと思えるほど行きずまって苦しくて、どうしようもなくなったとき、気分を変えて旅に出てはどうだろう。
どこかで、自分を苦しめている流れを変えるために。
旅とは実にいいものだ。
ほんの少し、日常と別れ、全く違う場所に行くのだ。この日常から離れるということだけでも、苦しい流れを変える非常にいい手段である。同時に、自分を振り返ってみるのにもとてもいい。
また見知らぬ土地に降り立つということは、それだけでとても新鮮なものに触れられる。そこできっと、心が洗われるような体験をすることだろう。
だからこそ、行きずまった自分にサヨウナラする為に、悲しみをもう少し遠くに置くために、さあ、思い切って旅に出よう。