18.それでも人生にイエスと言う
これはある人が強制収容所から生還した翌年に行われた講演の最後の部分である。
「責任を、そして人生を肯定するのは難しいことです。けれども、あらゆる困難をものともせず、この肯定を行った人たちがいました。
そして,アソコの収容所の囚人たちが、彼らの作った歌の中で、「それでも人生にイエスと言おう」と歌ったとき、それをただ歌っただけでなく、いろいろな仕方で行いにも移したのです。彼らも、そしてほかの収容所にいた私たちの多くも、同じように行いに移したのです。外面的にも内面的にも口で言えないような条件の下で、それを成し遂げたのです。
とすれば、今日、本当は比べることはできないとはいえ、比較的ましな状況にある私たちが行いに移せないわけがありましょうか。人生はそれ自体意味があるわけですから、どんな状況にもイエスということができるのです。
人間はあらゆることにもかかわらず、また強制収容所の運命の下にあったとしても 人生にイエスということができるのです」。