【東孝司】家族のアルバム、位牌(いはい)、表彰状――。公営住宅で孤独死した入居者の遺品が宙に浮いている。引き取り手のない場合、どう処分すればいいのか。管理する自治体が頭を抱えている。
東京都大田区の7階建て都営アパート。3階にある一室の玄関ドアには「関係者は連絡を」という張り紙が張られている。
入居していた70代の女性は2年前、室内で倒れているのが発見された。都や都住宅供給公社が遺族に室内の片付けを求めるはがきを出しても返事はなく、電話は留守番電話。訪ねても誰も出てこないため、昨年12月に紙を張った。