1980年の初出場以来、ありそうでなかった聖子の大トリが、出場18回目、デビュー35周年のメモリアルイヤーに実現することになった。歌唱曲は、卓越した歌唱力をいかんなく発揮すべく、国民の誰もが知るバラード調の名曲になりそう。「あなたに逢いたくて」「赤いスイートピー」のどちらかとみられる。
キーワードは「刷新」だ。NHKは今年から紅白制作スタッフを一新。旧態依然の番組づくりから脱し、独自色を濃く出すことを目指していた。
そんな中、幹部スタッフは新生紅白の目玉として、早くから聖子に白羽の矢を立てていた。聖子が今年は、恒例のカウントダウンコンサートを行わないことからも、NHK側の「大トリ」打診が早い段階で行われていたことがうかがえる。
今年の紅白は、娘の神田沙也加(28)も11年に続き2度目の出場。前回は史上初の母娘デュエットで話題となったが今回は、映画「アナと雪の女王」のヒット効果で“一本立ち”。聖子にとってさまざまな意味で特別な紅白になりそうだ。
白組は結成15周年の節目を迎えた「嵐」が満を持してのトリ。5年連続の司会は、アナウンサーを除いては紅白最長。記録面だけでなく、白組の中心として番組をけん引した過去4回は、いずれも平均視聴率が40%を超えている(関東地区、ビデオリサーチ調べ)。
歌手としても、今年リリースしたシングル3枚、アルバム1枚がいずれもオリコンチャート1位を記録し、総売上枚数は白組で最多。今年行った5大ドームツアーでは、単独歌手による5大ドームツアーの最多動員数となる84万人を動員するなど、名実ともに「白組の顔」と認められての晴れ舞台だ。
ともに初の大役。新時代への突入を目指す紅白の象徴と言えそうだ。
≪大トリ最多はひばりさん&サブちゃん≫大トリは、11回務めた故美空ひばりさんが北島三郎(78)と並んで最多タイ。67年からは6年連続で1年を締めくくった。紅組の大トリは聖子で8人目。複数回起用されたのは、都はるみ(66)の3回、八代亜紀(64)の2回。