コレラの感染拡大が続いているカリブ海の島国ハイチでは、5日に通過したハリケーンの影響で、コレラの感染源とみられる北部の川が洪水を起こす危険性があるとして、ハイチ政府や国連が警戒を強めています。
ことし1月の大地震の影響で、今でも130万人が仮設テントなどで暮らすハイチでは、衛生状態の悪化からコレラの感染拡大が続き、死者はこれまでに500人を超えたほか、7000人近くが病院などで手当てを受けました。こうしたなか、ハイチ政府関係者によりますと、5日、ハイチ沖を通過したハリケーンによる大雨で増水したダムの放水を行う必要性からコレラの感染源と見られる下流のアルティボニット川が洪水を起こす危険性があるとしています。ハイチ政府と国連では、洪水が起きる地域では衛生状態が悪化し、コレラの感染がさらに拡大するおそれがあるとして、流域の住民に警戒を呼びかけるとともに、各地に設けた治療センターなどに薬や飲み水を追加配布するなど準備を進めています。一方、ハリケーンの被害も徐々に明らかになり、西部の町、レオガンなどでは洪水でこれまでに8人が死亡、西部地域だけでおよそ3万張りの仮設テントが流されるなどの被害が出ているということです。