ことしのノーベル化学賞に選ばれた鈴木章さんと根岸英一さんが、スウェーデンで開かれる授賞式に出席するため、成田空港を出発しました。出発前の記者会見で、2人は式典に臨む抱負について「人生に一度しかないチャンスなので、楽しく思い出深い訪問にしたい」などと述べました。
北海道大学名誉教授の鈴木章さんとアメリカ・パデュー大学特別教授の根岸英一さんの2人は、4日午前9時前から成田空港で記者会見をしました。この中で鈴木さんは、授賞式について「人生に一度しかないチャンスなので、楽しく思い出深い訪問にしたい」と抱負を述べました。また、根岸さんは「授賞式は、31年前に恩師の教授に随行して出席したが、そのときと今回は雲泥の差で、雲に乗ったような気持ちで過ごしたい」と語りました。さらに、日本の人たちへ贈ることばとして、鈴木さんは「受賞が決まってから、たくさんのお祝いのことばや手紙をいただいたことに改めてお礼を申したい」と話し、根岸さんは「自分のやりたいことを貫いて賞をもらえることは最高の喜びで、こういう人生もあることを若い人に伝えたい」と述べました。このあと、鈴木さんと根岸さんは、それぞれ別の飛行機に乗り込み、見送りに来た大学の関係者などに笑顔で応えながら、午前11時すぎの飛行機で成田空港を出発しました。2人はスウェーデンのストックホルムで今月10日に開かれるノーベル賞の授賞式のほか、晩さん会や記念講演などさまざまな行事に出席することになっています。