ニューヨークの国連本部で建物の内部に強い悪臭が立ちこめ、中にいた外交官や国連職員ら数百人が一時避難する騒ぎがありました。
ニューヨークの中心部、マンハッタンにある国連本部では21日、総会などが開かれる4階建ての会議棟の内部で強い悪臭が立ちこめました。このため、全員建物から避難するよう指示が出され、外交官や国連職員など何百人もの人たちが一斉に外に避難し、現場は消防車も駆けつけて一時騒然となりました。避難してきた国連職員の1人は「事務所にいたら、涙が出て、めまいがするような臭いがした」と話していました。この日は、北朝鮮の人権問題に関する決議案などの採決を行うための総会が予定されていましたが、この騒ぎのため、急きょ時間を変更し、別の場所で行なう措置が取られました。北朝鮮のパク?トックン国連次席大使は「悪臭が漏れてきたので、別の建物に移ることになった」と話していました。国連によりますと、悪臭が立ちこめた原因は、建物内にある下水の処理システムが故障したためと分かり、けがをしたり病院に運ばれたりした人はこれまでのところいないということです。半世紀以上前に完成した国連本部は、全面的な改修工事が進められていますが、これまでも老朽化のため設備が故障し、中にいた人が避難する騒ぎが起きています。