インドのパティル大統領は、国の記念日を前にテレビ演説を行い、インドの人口が急増し食料の確保が緊急の課題になっているとして、農業の生産性の向上に取り組む姿勢を強調しました。
インドのパティル大統領は、インドが独立して憲法を施行した1月26日の「共和国記念日」を前に、恒例のテレビ演説を行いました。この中で、パティル大統領は「わが国の経済は金融危機以前の勢いを取り戻し、来年度は9%以上の成長が見込まれる」と述べ、さらなる成長の実現に自信を示しました。その一方で、インドの人口が年々急増し、20年後には14億8000万人に上る見込みで、食料の確保が緊急の課題になっていると指摘しました。そのうえで、インド国内で食品の価格が値上がりしていることに強い懸念を示すとともに「農業の生産性を上げ、農家の所得を上げる必要がある」と述べ、食料の大幅な増産を目指して農業の発展に取り組む姿勢を強調しました。インドでは、経済成長が続く一方で、食料不足への危機感が強まっており、これまでも国内の消費を優先させるため国外への食料輸出を制限する措置を取るなどしています。