東日本大震災の被災者を支援しようと、市川團十郎さんや中村勘三郎さんら多くの人気俳優が参加したチャリティー歌舞伎公演が、東京で開かれました。
東京の新橋演舞場で開かれた公演には、およそ150人の歌舞伎俳優が参加して、初めに人間国宝の尾上菊五郎さんが「被災地が復興できるよう、歌舞伎を通してお役に立てればうれしいです」とあいさつしたあと、東日本大震災で亡くなった人たちのために全員で黙とうをささげました。舞台では、福島県の「相馬盆唄」など東北3県に伝わる民謡を基にした長唄舞踊が披露されました。市川團十郎さんや片岡仁左衛門さんらベテラン俳優が厳かな舞を披露したほか、市川海老蔵さんなどの若手俳優も豪快な舞を見せ、豪華な顔合わせに客席は盛んな拍手を送っていました。休憩時間の売店では、中村勘三郎さんをはじめ、俳優たちがみずから店頭でチャリティーグッズを販売し、訪れた人は俳優との交流を楽しんでいました。29日の公演の収益はすべて義援金として被災地に送られるということです。俳優の中村時蔵さんは「夏の巡業でいつも訪れていた東北の人たちのために何かしたいと参加しました。お客様に楽しんでもらいながら、息の長い支援ができればうれしい」と話していました。