早咲きで知られる静岡県河津町の河津桜の開花が遅れている。年明けに強い寒気が流れ込んだ影響で、例年なら見ごろの2月中旬になっても、ほぼつぼみのまま。シーズン中に100万人が訪れるとされる観光客は激減しており、関係者は気をもんでいる。
2月初旬から約1カ月間、ピンク色の花を咲かせ続ける河津桜は、早咲きの桜として同町から各地に移植され愛されている。
同町内の河津桜は約8000本で、県農林技術研究所伊豆農業研究センター(東伊豆町)の松田健太郎研究員は、20日に開花し、28日に2分咲き、満開は3月10日ごろと予想する。「気温の高い3月にずれ込むと開花期間は短くなる」と話す。
「河津桜まつり」が5日に始まったものの、咲かない「早咲き」に観光客数は15日現在で約4万1000人にとどまっている。
町観光協会の島崎博子事務局長は「こんなに開花が遅れるのは初めて。『いつ来れば咲いているのか』と聞かれ、答えに窮している」と頭を抱える。3月10日までのまつり期間を延長することも検討しているという。