日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 岛崎藤村 » 正文

破戒18-1

时间: 2017-06-03    进入日语论坛
核心提示:       (一) 毎年(まいとし)降る大雪が到頭(たうとう)やつて来た。町々の人家も往来もすべて白く埋没(うづも)れ
(单词翻译:双击或拖选)
        (一)
 
 毎年(まいとし)降る大雪が到頭(たうとう)やつて来た。町々の人家も往来もすべて白く埋没(うづも)れて了つた。昨夜一晩のうちに四尺余(あまり)も降積るといふ勢で、急に飯山は北国の冬らしい光景(ありさま)と変つたのである。
 斯うなると、最早(もう)雪の捨てどころが無いので、往来の真中へ高く積上げて、雪の山を作る。両側は見事に削り落したり、叩き付けたりして、すこし離れて眺めると、丁度長い白壁のやう。上へ/\と積上げては踏み付け、踏み付けては又た積上げるやうに為るので、軒丈(のきだけ)ばかりの高さに成つて、対(むか)ひあふ家と家とは屋根と廂(ひさし)としか見えなくなる。雪の中から掘出された町――譬(たと)へば飯山の光景(ありさま)は其であつた。
 高柳利三郎と町会議員の一人が本町の往来で出逢(であ)つた時は、盛んに斯雪を片付ける最中で、雪掻(ゆきかき)を手にした男女(をとこをんな)が其処此処(そここゝ)に群(むらが)り集つて居た。『どうも大降りがいたしました。』といふ極りの挨拶を交換(とりかは)した後、軈(やが)て別れて行かうとする高柳を呼留めて、町会議員は斯う言出した。
『時に、御聞きでしたか、彼(あ)の瀬川といふ教員のことを。』
『いゝえ。』と高柳は力を入れて言つた。『私は何(なんに)も聞きません。』
『彼の教員は君、調里(てうり)(穢多の異名)だつて言ふぢや有ませんか。』
『調里?』と高柳は驚いたやうに。
『呆(あき)れたねえ、是(これ)には。』と町会議員も顔を皺(しか)めて、『尤(もつと)も、種々(いろ/\)な人の口から伝(つたは)り伝つた話で、誰が言出したんだか能(よ)く解らない。しかし保証するとまで言ふ人が有るから確実(たしか)だ。』
『誰ですか、其保証人といふのは――』
『まあ、其は言はずに置かう。名前を出して呉れては困ると先方(さき)の人も言ふんだから。』
 斯う言つて、町会議員は今更のやうに他(ひと)の秘密を泄(もら)したといふ顔付。『君だから、話す――秘密にして置いて呉れなければ困る。』と呉々も念を押した。高柳はまた口唇を引歪めて、意味ありげな冷笑(あざわらひ)を浮べるのであつた。
 急いで別れて行く高柳を見送つて、反対(あべこべ)な方角へ一町ばかりも歩いて行つた頃、斯(こ)の噂好(うはさず)きな町会議員は一人の青年に遭遇(であ)つた。秘密に、と思へば思ふ程、猶々(なほ/\)其を私語(さゝや)かずには居られなかつたのである。
『彼の瀬川といふ教員は、君、是(これ)だつて言ひますぜ。』
 と指を四本出して見せる。尤も其意味が対手には通じなかつた。
『是だつて言つたら、君も解りさうなものぢや無いか。』と町会議員は手を振り乍ら笑つた。
『どうも解りませんね。』と青年は訝(いぶか)しさうな顔付。
『了解(さとり)の悪い人だ――それ、調里のことを四足(しそく)と言ふぢやないか。はゝゝゝゝ。しかし是は秘密だ。誰にも君、斯様なことは話さずに置いて呉れ給へ。』
 念を押して置いて、町会議員は別れて行つた。
 丁度、そこへ通りかゝつたのは、学校へ出勤しようとする準教員であつた。それと見た青年は駈寄つて、大雪の挨拶。何時の間にか二人は丑松の噂を始めたのである。
『是(これ)はまあ極(ご)く/\秘密なんだが――君だから話すが――』と青年は声を低くして、『君の学校に居る瀬川先生は調里ださうだねえ。』
『其さ――僕もある処で其話を聞いたがね、未だ半信半疑で居る。』と準教員は対手の顔を眺め乍ら言つた。『して見ると、いよ/\事実かなあ。』
『僕は今、ある人に逢つた。其人が指を四本出して見せて、彼の教員は是だと言ふぢやないか。はてな、とは思つたが、其意味が能く解らない。聞いて見ると、四足といふ意味なんださうだ。』
『四足? 穢多のことを四足と言ふかねえ。』
『言はあね。四足と言つて解らなければ、「よつあし」と言つたら解るだらう。』
『むゝ――「よつあし」か。』
『しかし、驚いたねえ。狡猾(かうくわつ)な人間もあればあるものだ。能(よ)く今日(いま)まで隠蔽(かく)して居たものさ。其様(そん)な穢(けがらは)しいものを君等の学校で教員にして置くなんて――第一怪しからんぢやないか。』
『叱(しツ)。』
 と周章(あわ)てゝ制するやうにして、急に準教員は振返つて見た。其時、丑松は矢張学校へ出勤するところと見え、深く外套(ぐわいたう)に身を包んで、向ふの雪の中を夢見る人のやうに通る。何か斯う物を考へ/\歩いて行くといふことは、其の沈み勝ちな様子を見ても知れた。暫時(しばらく)丑松も佇立(たちどま)つて、熟(じつ)と是方(こちら)の二人を眺めて、軈て足早に学校を指して急いで行つた。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%