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白夜行2-8

时间: 2017-01-17    进入日语论坛
核心提示: 事件から四日が経った土曜日、江利子は雪穂と共に藤村都子を見舞うため、彼女の家を訪れた。雪穂が提案したことだった。 だが
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 事件から四日が経った土曜日、江利子は雪穂と共に藤村都子を見舞うため、彼女の家を訪れた。雪穂が提案したことだった。
 だが応接間で待っていても、都子は現れなかった。代わりに彼女の母親がやってきて、娘はまだ誰にも会いたくないらしいと、申し訳なさそうにいった。
「怪我、ひどいんですか」と江利子は尋ねた。
「怪我はそれほどでも……ただねえ、精神的なショックがやっぱり……」都子の母親は、小さく吐息をついた。
「犯人はわかったんでしょうか」雪穂が訊いた。「あたしたちも、警察からいろいろと訊かれたんですけど」
 だが都子の母親は首を振った。
「まだ何もわからないみたい。あなたたちにも御迷惑をかけてるみたいね」
「それは構いませんけど……藤村さん、犯人の姿は見ていないんですか」雪穂が呟くようにいった。
「それが、急に後ろから黒いビニール袋をかぶせられたから、何も見てないらしいの。後は頭を殴られて気絶してたみたいで……」都子の母親は目を赤くし、口元を両手で覆った。
「文化祭の準備とかで、毎日遅かったから心配やったんよ。あの子は音楽部の部長をしてたから、いつも居残りをして……」
 泣きだされると、江利子としては辛かった。早く帰りたいなという気さえした。すると雪穂も同じ思いなのか、彼女のほうを見て、「もう失礼しましょうか」といってきた。
「そうね」と、江利子は尻を浮かせる準備をした。
「本当にごめんなさいね。せっかくお見舞いに来ていただいたのに」
「いいえ。藤村さん、早く立ち直れるといいですね。怪我も早く治って」雪穂が立ち上がりながらいった。
「ありがとう。あっ、でも」都子の母親は、ここで急に目を大きく見開いた。「あんなことになってたけれど、服を脱がされただけで、あのう、身体を汚されてはいなかったのよ。これは信じてね」
 彼女が何をいいたいのかは江利子にもよくわかった。それで少し驚いて雪穂と顔を見合わせた。はっきりと口に出したことはないが、二人で事件のことを話す時には、都子は犯されたのだろうということを前提にしてきたからだ。
「ええ、信じます」だが雪穂は、そんなことは考えたこともないという口調で答えた。
「それから」と都子の母親はいった。「これまでも、お二人は事件のことを秘密にしてくださったみたいだけど、これからもそのようにしてほしいの。何しろあの子には将来があるし、こんなことが世間に知れたら、どんな陰口を叩かれるかわかれへんでしょう」
「はい、わかっています」雪穂はきっぱりと答えた。「決して誰にもいいません。そんな噂が流れ始めても、あたしたちさえ否定したら済むことですから。藤村さんに伝えてください。あたしたちが絶対に守ってみせるから、安心してくださいって」
「ありがとう。都子はいい友達を持って幸せね。一生この恩を忘れるなっていっておくわね」そういって都子の母親は涙ぐんだ。
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