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薔薇夫人(5)_江户川乱步短篇集_江户川乱步_日本名家名篇_日语阅读_日语学习网

时间: 2024-10-24    作者: destoon    进入日语论坛
核心提示:三青山浩一は、約束の夜、九時丁度に、相川スミエの高級アパートを訪ねた。云われた通り、入口では何の挨拶もせず、階段を上って
(单词翻译:双击或拖选)


青山浩一は、約束の夜、九時丁度に、相川スミエの高級アパートを訪ねた。云われた通り、入口では何の挨拶もせず、階段を上って、見覚えの部屋の前に戻った。
彼は床屋に行き、風呂にはいって、すがすがしく変っていた。おれのような青年に、どうして、これほどの幸運がやって来たのかと、ふしぎでたまらなかった。期待ではちきれそうになっていた。
鍵はかけてないかも知れない。はじめは軽く、次には強くノックして見た。返事がない。ひっそりと静まりかえっている。ノッブを廻して押して見たが、ひらかない。やっぱり鍵がかかっているのだ。まさか、いないのではあるまい。逢引の作法に従って、合鍵を使わせるために、わざと息を殺しているのかも知れない。
鍵をとり出して、ドアをひらいた。彼女がドアの横の壁に身を隠していることを予期したので、少しずつ、用心ぶかくひらいた。何の手ごたえもない。「スミエさん」小声で呼んで見た。シーンとしている。室内にはいって、うしろ手にドアをしめた。
「スミエさん、ぼくです」
今度は少し大きい声を出した。

(未完)

 

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