日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 江户川乱步 » 夜光人 » 正文

夜光人-两个明智小五郎

时间: 2022-01-09    进入日语论坛
核心提示:ふたりの明智小五郎 小林少年は、ふしぎな西洋館の門の中へしのびこんで、建物のまわりを、ぐるっと、回ってみました。 すると
(单词翻译:双击或拖选)

ふたりの明智小五郎


 小林少年は、ふしぎな西洋館の門の中へしのびこんで、建物のまわりを、ぐるっと、回ってみました。
 すると、うら庭にめんした一階の部屋の窓から、電灯の光がさしていましたので、そっと、窓から中をのぞいてみますと、その部屋に、さっきの明智探偵が、ひとりで立っているのが見えました。
 りっぱな部屋です。むこうの壁に、大きな鏡がはめこみになっています。高さ一メートル半もある細ながい鏡です。
 明智探偵は、その大鏡の前に立って、じぶんのすがたをながめながら、ひとりごとをいっていました。
「おれの変装のうでまえは、たいしたもんだなあ。あの小林でさえ、見やぶることができなかったんだからなあ。ウフフフフ……、大どろぼうが名探偵に化けて、宝物の番をしたんだ。さすがの小林も刑事たちも、この手には気がつかなかったて。ウフフフフ……。」
 鏡の中のじぶんのすがたに笑いかけながら、大とくいのようです。
 それを聞くと、こじき少年の小林君は、そっと窓をはなれて、おおいそぎで門の外にかけだし、近くの公衆電話をさがして、その中にとびこみました。
 そして、どこかへ電話をかけると、またもとの西洋館にもどったのですが、小林君のことは、ここまでにしておいて、こんどは、西洋館の中のにせ明智探偵のほうから、お話をすすめることにします。
 小林君が公衆電話をかけてから、三十分もたったころです。にせの明智探偵は、あの鏡の部屋のアームチェアに、ゆったりと腰かけて、タバコを吹かしていました。まだ変装をとかないで、明智探偵のすがたのままです。このすがたで、まだ、一仕事するつもりなのでしょうか。
 このとき、こつこつと、ドアをたたく音がしました。にせ明智の部下のものかもしれません。
「はいりたまえ。」
 にせ明智は、ゆったりとして答えました。
 ドアがスウッとひらきました。そして、そこに立っていた人は……。
 にせ明智が、「アッ。」といって、いすから立ちあがりました。
 ごらんなさい! ドアの外に立っていたのは、明智探偵だったのです。部屋の中にも明智探偵、ドアの外にも明智探偵、顔から洋服から、そっくりそのままの人間がふたり、むかいあって立っているのです。
 にせ明智は、じぶんのすがたが、鏡にうつっているのではないかとおもいました。しかし、大鏡は、ドアのよこのほうに、ちゃんとあるのです。そして、そこにも、じぶんのすがたが、うつっているのです。明智探偵が三人になりました。じぶんと、ドアのところに立っているのと、鏡にうつっているのと、あわせて三人です。
「ハハハハハ……、おどろいているね。だが、きみは、じつに変装がうまいねえ。ぼくだって、そこにいるのは、じぶんじゃないかと思うくらいだよ。ハハハハハ……。」
 ほんものの明智探偵が、ゆっくり、部屋の中へはいってきました。
「き、きみは、どうして、ここへ……。」
 にせものは、すっかり、どぎもをぬかれて、はっきり口をきくこともできません。
「小林だよ。きみは赤森さんのうちから、小林をおいかえしたそうだね。ぼくはいままで、そんなことをしたためしがないから、小林がうたがったのだ。かしこい少年だからね。そして、きみのあとをつけたのだよ。
 ぼくは今夜八時三十分に、東京駅について、すぐ事務所に帰ったのだが、そこへ小林から電話がかかってきた。その小林が、このうちをおしえてくれた。それで、にせの明智探偵にあうために、ここへやってきたというわけさ。ハハハハハ……。」
 ほんものの明智探偵は、そういって、右手をポケットにいれました。にせ明智も、右手をポケットにいれています。
「ハハハハ……、ポケットから手を出したまえ。ピストルなら、ぼくも持っているんだからね。」
「うん、とび道具はよそう。話せばわかることだ。」
 にせ明智は、やっと決心がついたらしく、もうへいきな顔になって、ポケットから、手を出しました。ほんものの明智も、ピストルをはなして、手を出し、にこにこしながら、話しつづけるのでした。
「夜光人間とは、うまく考えたねえ。あのきみのわるい顔でおどかしておいて、どろぼうをやるなんて、きみでなければ思いつかないことだよ。」
「それじゃ、きみは、おれの秘密を、なにもかも知っているというのか。」
 にせ明智が、ふてぶてしく、たずねます。
「うん、知っている。このまえの杉本さんの推古仏をぬすんだ事件も、こんどの赤森さんの白玉をぬすんだ事件も、すっかりわかっている。
 ぼくは旅行をしていたが、新聞を読んで、おおかたはさっしていた。そして、今夜帰って、事務所の者から、くわしい話をきいたので、すっかりわかってしまった。」
「ふうん、そうか。さすがは名探偵だな。よろしい、きみの話を聞いてやろう。だが、この部屋はおちつかない。もっとおくの部屋へいこう。いごこちのいい部屋があるんだ。」
「どこへでもいく。もう、この建物は、おおぜいの警官隊に、かこまれているころだからね。小林が警視庁の中村警部にしらせて、その手配をしたのだ。だから、きみがぼくをごまかして、逃げだそうとしたって、逃げられるはずはない。どこへでもいく、さあ、案内したまえ。」
「ふうん、よく手がまわったな。よろしい、おれも、いまさら逃げかくれはしない。じゃあ、こちらへきたまえ。」
 にせ明智は、そういって、さきにたって、ドアの外へ出ていきました。廊下を一つまがった、おくまったところに、こぢんまりした、きれいな部屋があります。ふたりは、その中へはいって、むかいあって立ちました。
 その部屋には、窓というものが、ひとつもありません。たったひとつのドアには、にせ明智が、中からかぎをかけました。ですから、その部屋は完全な密室になってしまったのです。

轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%

热门TAG: