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草枕 五 (5)

时间: 2021-02-07    进入日语论坛
核心提示:「わしが云うたのじゃない。老師が云われたのじゃ。そう怒るまい。年甲斐としがいもない」「ヘン、面白くもねえ。――ねえ、旦那
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 「わしが云うたのじゃない。老師が云われたのじゃ。そう怒るまい。年甲斐としがいもない」

「ヘン、面白くもねえ。――ねえ、旦那」
「ええ?」
全体(ぜんてえ)坊主なんてえものは、高い石段の上に住んでやがって、屈托(くったく)がねえから、自然に口が達者になる訳ですかね。こんな小坊主までなかなか口幅(くちはば)ってえ事を云いますぜ――おっと、もう少し(どたま)を寝かして――寝かすんだてえのに、――言う事を()かなけりゃ、切るよ、いいか、血が出るぜ」
「痛いがな。そう無茶をしては」
「このくらいな辛抱が出来なくって坊主になれるもんか」
「坊主にはもうなっとるがな」
「まだ一人前(いちにんめえ)じゃねえ。――時にあの泰安さんは、どうして死んだっけな、御小僧さん」
「泰安さんは死にはせんがな」
「死なねえ? はてな。死んだはずだが」
「泰安さんは、その(のち)発憤して、陸前(りくぜん)大梅寺(だいばいじ)へ行って、修業三昧(しゅぎょうざんまい)じゃ。今に智識(ちしき)になられよう。結構な事よ」
「何が結構だい。いくら坊主だって、夜逃をして結構な法はあるめえ。御前(おめえ)なんざ、よく気をつけなくっちゃいけねえぜ。とかく、しくじるなあ女だから――女ってえば、あの狂印(きじるし)はやっぱり和尚(おしょう)さんの所へ行くかい」
狂印(きじるし)と云う女は聞いた事がない」
「通じねえ、味噌擂(みそすり)だ。行くのか、行かねえのか」
狂印(きじるし)は来んが、志保田の娘さんなら来る」
「いくら、和尚さんの御祈祷(ごきとう)でもあればかりゃ、(なお)るめえ。全く(せん)の旦那が(たた)ってるんだ」
「あの娘さんはえらい女だ。老師がよう()めておられる」
「石段をあがると、何でも逆様(さかさま)だから(かな)わねえ。和尚さんが、何て云ったって、気狂(きちげえ)気狂(きちげえ)だろう。――さあ()れたよ。早く行って和尚さんに叱られて来めえ」
「いやもう少し遊んで行って()められよう」
「勝手にしろ、口の()らねえ餓鬼(がき)だ」
(とつ)この乾屎(かんしけつ)
「何だと?」
 青い頭はすでに暖簾(のれん)をくぐって、春風(しゅんぷう)に吹かれている。

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