日语童话故事 日语笑话 日语文章阅读 日语新闻 300篇精选中日文对照阅读 日语励志名言 日本作家简介 三行情书 緋色の研究(血字的研究) 四つの署名(四签名) バスカービル家の犬(巴斯克威尔的猎犬) 恐怖の谷(恐怖谷) シャーロック・ホームズの冒険(冒险史) シャーロック・ホームズの回想(回忆录) ホームズの生還 シャーロック・ホームズ(归来记) 鴨川食堂(鸭川食堂) ABC殺人事件(ABC谋杀案) 三体 失われた世界(失落的世界) 日语精彩阅读 日文函电实例 精彩日文晨读 日语阅读短文 日本名家名篇 日剧台词脚本 《论语》中日对照详解 中日对照阅读 日文古典名著 名作のあらすじ 商务日语写作模版 日本民间故事 日语误用例解 日语文章书写要点 日本中小学生作文集 中国百科(日语版) 面接官によく聞かれる33の質問 日语随笔 天声人语 宮沢賢治童話集 日语随笔集 日本語常用文例 日语泛读资料 美しい言葉 日本の昔話 日语作文范文 从日本中小学课本学日文 世界童话寓言日文版 一个日本人的趣味旅行 《孟子》中日对照 魯迅作品集(日本語) 世界の昔話 初级作文 生活场境日语 時候の挨拶 グリム童話 成語故事 日语现代诗 お手紙文例集 川柳 小川未明童話集 ハリー・ポッター 新古今和歌集 ラヴレター 情书 風が強く吹いている强风吹拂
返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 日本名家名篇 » 夏目漱石 » 正文

草枕 十二(6)

时间: 2021-03-09    进入日语论坛
核心提示: 小供のうち花の咲いた、葉のついた木瓜(ぼけ)を切って、面白く枝振(えだぶり)を作って、筆架(ひつか)をこしらえた事がある。そ
(单词翻译:双击或拖选)

 小供のうち花の咲いた、葉のついた木瓜(ぼけ)を切って、面白く枝振(えだぶり)を作って、筆架(ひつか)をこしらえた事がある。それへ二銭五厘の水筆(すいひつ)を立てかけて、白い穂が花と葉の間から、隠見(いんけん)するのを机へ()せて楽んだ。その日は木瓜(ぼけ)筆架(ひつか)ばかり気にして寝た。あくる日、眼が()めるや(いな)や、飛び起きて、机の前へ行って見ると、花は()え葉は枯れて、白い穂だけが元のごとく光っている。あんなに奇麗なものが、どうして、こう一晩のうちに、枯れるだろうと、その時は不審(ふしん)の念に()えなかった。今思うとその時分の方がよほど出世間的(しゅっせけんてき)である。
 ()るや否や眼についた木瓜は二十年来の旧知己である。見詰めているとしだいに気が遠くなって、いい心持ちになる。また詩興が浮ぶ。
 寝ながら考える。一句を得るごとに写生帖に(しる)して行く。しばらくして出来上ったようだ。始めから読み直して見る。

出門多所思。春風吹吾衣。芳草生車轍。廃道入霞微。停而矚目。万象帯晴暉。聴黄鳥宛転。観落英紛霏。行尽平蕪遠。題詩古寺扉。孤愁高雲際。大空断鴻帰。寸心何窈窕。縹緲忘是非。三十我欲老。韶光猶依々。逍遥随物化。悠然対芬菲。

 ああ出来た、出来た。これで出来た。寝ながら木瓜を()て、世の中を忘れている感じがよく出た。木瓜が出なくっても、海が出なくっても、感じさえ出ればそれで結構である。と(うな)りながら、喜んでいると、エヘンと云う人間の咳払(せきばらい)が聞えた。こいつは驚いた。
 寝返(ねがえ)りをして、声の響いた方を見ると、山の出鼻を回って、雑木(ぞうき)の間から、一人の男があらわれた。
 茶の中折(なかお)れを(かぶ)っている。中折れの形は(くず)れて、(かたむ)(へり)の下から眼が見える。眼の恰好(かっこう)はわからんが、たしかにきょろきょろときょろつくようだ。(あい)縞物(しまもの)の尻を端折(はしょ)って、素足(すあし)に下駄がけの()()ちは、何だか鑑定がつかない。野生(やせい)(ひげ)だけで判断するとまさに野武士(のぶし)の価値はある。
 男は岨道(そばみち)を下りるかと思いのほか、曲り角からまた引き返した。もと来た路へ姿をかくすかと思うと、そうでもない。またあるき直してくる。この草原を、散歩する人のほかに、こんなに行きつ戻りつするものはないはずだ。しかしあれが散歩の姿であろうか。またあんな男がこの近辺(きんぺん)に住んでいるとも考えられない。男は時々立ち(どま)る。首を傾ける。または四方を見廻わす。大に考え込むようにもある。人を待ち合せる風にも取られる。何だかわからない。

轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%

热门TAG: