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虞美人草 二(10)

时间: 2021-03-10    进入日语论坛
核心提示: 小野さんは黙然(もくねん)と香炉(こうろ)を見て、また黙然と布団を見た。崩(くず)し格子(ごうし)の、畳から浮く角に、何やら光
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 小野さんは黙然(もくねん)香炉(こうろ)を見て、また黙然と布団を見た。(くず)格子(ごうし)の、畳から浮く角に、何やら光るものが奥に(はさ)まっている。小野さんは少し首を横にして輝やくものを物色して考えた。どうも時計らしい。今までは(とん)と気がつかなかった。藤尾の立つ時に、絹障(きぬざわり)のしなやかに、布団(ふとん)()れて、隠したものが出掛ったのかも知れぬ。しかし布団の下に時計を隠す必要はあるまい。小野さんは再び布団の下を(のぞ)いて見た。松葉形(まつばがた)(つな)ぎ合せた鎖の折れ曲って、表に向いている方が、細く光線を射返す奥に、盛り上がる七子(ななこ)(ふち)(かす)かに浮いている。たしかに時計に違ない。小野さんは首を傾けた。
 金は色の純にして濃きものである。富貴(ふうき)を愛するものは必ずこの色を好む。栄誉を(こいねが)うものは必ずこの色を(えら)む。盛名を致すものは必ずこの色を飾る。磁石(じしゃく)の鉄を吸うごとく、この色はすべての黒き頭を吸う。この色の前に平身せざるものは、弾力なき護謨(ゴム)である。一個の人として世間に通用せぬ。小野さんはいい色だと思った。
 折柄(おりから)向う座敷の方角から、絹のざわつく音が、()がり(えん)を伝わって近づいて来る。小野さんは(のぞ)き込んだ眼を急に()らして、素知らぬ顔で、容斎(ようさい)(じく)を真正面に眺めていると、二人の影が敷居口にあらわれた。
 黒縮緬(くろちりめん)の三つ紋を()(がた)に着こなして、くすんだ半襟(はんえり)に、(まげ)ばかりを古風につやつやと光らしている。
「おやいらっしゃい」と御母(おっか)さんは軽く会釈(えしゃく)して、椽に近く座を占める。(うぐいす)も鳴かぬ代りに、目に立つほどの塵もなく掃除の行き届いた庭に、長過ぎるほどの松が、わが物顔に一本控えている。この松とこの御母さんは、何となく同一体のように思われる。
「藤尾が始終(しじゅう)御厄介(ごやっかい)になりまして――さぞわがままばかり申す事でございましょう。まるで小供でございますから――さあ、どうぞ御楽(おらく)――いつも御挨拶(ごあいさつ)を申さねばならんはずでございますが、つい年を取っているものでございますから、失礼のみ致します。――どうも実に赤児(ねんね)で、困り切ります、駄々ばかり()ねまして――でも英語だけは御蔭(おかげ)さまで大変好きな模様で――近頃ではだいぶむずかしいものが読めるそうで、自分だけはなかなか得意でおります。――何兄がいるのでございますから、教えて貰えば好いのでございますが、――どうも、その、やっぱり兄弟は()かんものと見えまして――」

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