移民2世
晩秋のフランスから、そのきらめく風光とはおよそ似つかわしくない映像が次々に届いている。パリ郊外の移民街で始まった暴動が全国に広がり、パリの市内でも、多くの車が放火され炎上したという。
巴黎的晚秋到处是美丽而旖旎的风光,而与此不相称的画面却接二连三地从电视里传出。发生在巴黎郊外移民街的暴动已经蔓延到全国,众多的车辆被焚烧而燃起熊熊大火。
暗闇の中で車が激しく燃えさかるさまは、現場の大きな混乱と恐怖とを伝えてくる。暴動が起きた地域は、全体の中では小さな点と点なのだろうが、これほどまでに広がるとは。移民社会が抱える問題の深刻さを示しているようだ。
这黑暗中汽车燃烧的熊熊大火,把现场这巨大的混乱和恐怖传递给了人们。虽说暴动最初发生的地方,在整个法国中不过是星星点点的小地方,但没想到竟然扩散到如此程度。移民社会所涵盖问题的深刻性被显露得一览无遗。
フランスへの移民は、北アフリカの旧植民地の出身者が多く、「郊外の荒廃」は、低家賃の集合住宅に移民が定着した70年代から指摘されていたという。84年刊の「フランスの異邦人」(林瑞枝著 中公新書)には、北アフリカのアラブ人一般が「ネズミ」と呼ばれることがあると書かれている。
移居法国的移民,以北非旧殖民地者居多。这些移民所定居的廉价的集体住宅,被称为「郊外的废墟」,这种现象在当时就曾经被指出。在84年刊行的《法国的异乡人》(林瑞枝著 中公新书)一书中写到"北非的阿拉伯人一般被称为老鼠"。
その子どもたちを、一部の町の人々は、ならず者、盗人、よた者などと呼んだという。「嫌悪と蔑(さげす)みのこもったこうした言葉で常日頃あしざまにいわれれば、聞かされる子供のほうとて素直にはなれない……悪循環である」と林さんは記す。
这些移民的孩子,被一些地区的人们称之为"坏蛋、强盗、外地人"。作者在书中写到"如果每天都是这些带有嫌恶和轻蔑的话语,那么听了这些话的孩子也难于纯真……这就是恶性循环"。
この第2世代には、親たちのような祖国がない。それは、イギリスの地下鉄爆破テロで指摘されたパキスタン系の移民2世の位置とも似ている。
对于这第二代而言,并没有拥有像自己父母亲那样的祖国。这一点,和在英国地铁发生恐怖爆炸案而被控告的巴基斯坦出身的移民的经历相似。
「人生を見つめる/もろく、くるしい人生なんだ/みんな郊外そだちさ……それでも生きる権利がある/郊外 郊外 郊外」。フランス語でしか詩をつくれない、ある移民2世の歌だという。「郊外」に生まれ、広がった暗部が、「自由、平等、博愛の国」を揺さぶっている。
"凝视人生/脆弱而痛苦的人生/我们都成长于市郊……但我们同样拥有生长的权力/郊外郊外 郊外"据说这是只会用法语写诗,一个二代移民所写的诗歌。产生于"郊外",这广阔的黑暗正动摇着这个"自由、平等、博爱"的国家。